「私はもともと育休中だったのですが、夫が4月から完全テレワークになりました(現在は週2回ほどのペースで出勤)。まじめな夫は育児にも家事にもとても積極的です。ただ、一方で仕事もしなければならないので、そこがうまくいかないとイライラする場面も多くみられました。ときどき、目を離すと寝てばかりいます。だから、私もこの自粛期間中は誘うべきではない…と思ってはいたのですが、排卵日付近になると気持ちが焦ってしまい、誘うことが何度かありました。でも、すごく嫌な顔をされて『眠くて…』とやんわり断られてしまいます」

仕事、育児、家事など、いい夫は外出もほぼせず頑張っている。その分、気持ちが向かないのは当然なのかもしれません。とはいえ、Sさんはモヤモヤが残ります。

「私も育休中とはいえ、家事や子育てに疲れているのは一緒です。もちろん、夫が家での仕事がはかどらず静かにイライラしているのはわかるんです。でも…今先延ばしにしてしまったら、将来後悔してしまうんじゃないか…そんな気持ちもあるんです。夫がつねに家にいる今がチャンスだと思うのですが…ただ、夫はひとりでしている様子もないので、本当に疲れているんだと思います」

ステイホームにより、時間も体力もある…と思いきや、実態はむしろ逆でした。

●妊活に躍起になっていたけど、今回のことで考え直すきっかけに

Kさんご夫婦は、妊活中だったそうですが、新型コロナは改めていろんなことについて考え直す機会になったと妻のKさん(35歳)は言います。

「もともと、2人とも淡白なほう。恋人のときも別にしなくてもいんじゃない? という気持ちでした。なので、夫婦ともに子づくりとして割りきってしました。ただ、ずっと家にいると、本当に生活の地続きになってしまって、新鮮味がない。こんなに頑張ってなにをしているんだろう、とむなしくなってしまうし、そんな気持ちも手伝って、私も夫も無反応な状態になってしまいました。無理をしてもストレスが溜まるだけでは、という話になり、しばらく妊活はお休みすることに。そうしたら、夫はすごく清々しい顔をしていて、もしかして相当な負担になっていたのでは、と申し訳ない気持ちになったのも事実です」

Kさん夫妻の妊活歴は2年。病院に通って人工授精にも何度かトライしましたが、なかなか成果に至らず、今回の自粛期間中に何度かタイミングを試みた結果でした。

「レスをのぞけば、夫婦仲は良好。今も毎日一緒にいても飽きないし、楽しくやっています。コロナを機に、『夫婦2人だけで生きていくのも悪くないかもしれない』と感じています」

今回の自粛期間で夫婦が顔を合わせる時間が増え、それぞれの事情がありました。セックスレスは決して夫婦仲が険悪になっているから…というわけではないようです。