●夫に気を遣いつつ、子どもの勉強も見て…自分の仕事が後回しに

パソコンとテレビと女性
Hさんの仕事部屋。夫が仕事用に設置したモニター代わりのテレビにスペースが少し圧迫されている
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フリーランスでもともと自宅で仕事をしていたHさんは、夫のテレワーク、そして小学2年生になるお子さんの休校でかなり状況は変わってしまったようです。

「会社員の夫のスケジュールを優先させると、平日の日中は私が子ども担当になることが多いため、仕事がはかどりません。夫はかかってくる電話もオンライン会議も多いので、その役割をバトンタッチしてもらうわけにもいかず…。このタイミングの主導権を夫に握られていることにイライラすることはあります。仕方がないのはわかっているんですが」

夫も気遣ってくれていることをわかりつつも、自分のペースで進められないという状況にストレスが溜まっているよう…。食事の支度も負担になり、自分のために使える時間がないのはつらいところ。

パソコンを操作する女性と子ども
日中はお子さんの勉強を見ながら仕事を進めるHさん

「家族そろって食卓を囲めるのはうれしいです。子どもとの時間も増えたし、以前よりも夫が家事に協力的になったこともよかったですね。ただ、子どもの家庭学習には少し悩んでいます。午前中に1時間くらいタブレット学習する時間をつくり、その間に仕事をしています。割とタブレットまかせにしてしまっているので、もう少し勉強を見てあげられる時間をつくれたらいいんですけど…」

子育て、家事、夫の仕事への気遣い…一気に負担がかかり、思ったようにできない悩みも生じてしまうようです。

●子どもの学習を優先。家事は余裕のあるときだけに割り切ることに

最後は小学2年生と4歳の娘さんがいらっしゃるFさんご夫婦。3月に小学校が休校、4月8日には私立保育園も登園自粛要請があり、同時に子どもを見ながらのテレワークがスタートしました。仕事のはかり具合は日によってまちまちだそうですが、夫婦でスケジュールを確認し合うようにはしているのだそう。

「子どもたちにも我々の仕事時間を伝え、『今日は○時からならお散歩に行けるよ』と、あらかじめ知らせるようにしています。お互い仕事が忙しすぎてまったく余裕のないときは、家事をしないですし、食事もテイクアウトやコンビニを活用するようにしています」

家事はFさんが9割担当していますが、その分は夫は「時間の許す限り育児をしてもらう」とのこと。

「夫は元々激務で平日に子どもたちと接することなんてほとんどなかったので、テレワークになってからは仕事の合間に子どもたちと遊んでいるため、家族全員で過ごす時間が一気に増えました。ただ、子どもは一人で勉強をすることが難しいタイプなので、なるべく1日に少しの時間だけでも授業に関係する勉強の時間をつくるようにしています。一方で、お絵かきや工作系、アプリの脳トレ、絵本系の読書などは大好きなので、そういう活動は次女と一緒に思いっきりやらせたりしています。小学校のWEBサイトで、毎日児童に向けたいろいろな学習関連の読み物を更新してくださっているため、それを一緒に読んでいます。まぁやっぱり大変ですね」

夫婦ともにリモートワークになることで、接触率を下げられるので一定の安心感は得られます。その一方でよいことも大変になったこともあります。
それぞれの家庭が、この難局を乗り越えていくためにも葛藤をもちながら過ごしているのが見えました。