もはや、日常生活にすっかり浸透しているAI(人工知能)。『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』は、AIがはじき出した未来の凶悪犯罪を未然に防ぐ「未然犯罪捜査班」、通称“ミハン”捜査員たちの活躍を描く刑事ドラマです。

水野美紀さんは、法務省官僚でありながらミハンの統括責任者を務める、香坂朱里を演じています。謎めいた役である香坂について、水野さんにインタビューしました。

水野美紀さん
『絶対零度』のキーパーソン。水野美紀さんインタビュー
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『絶対零度』衝撃のラストにつながるキーパーソンを熱演。水野美紀さんインタビュー

●ドラマでも、もっとも変化の大きい役

「海外では顔認証システムが導入されて、コンビニでなにも持たずに買い物ができたり、空港で税関を通らなくても出入国できたりしていますよね。ドラマはフィクションですが、この作品に関わって、日本もいずれそうなるのだろうなと感じました」

ドラマは、未然犯罪を解決するメンバーの活躍を描きながら、第1話のラストで描かれた衝撃のシーンへとつながっていくもうひとつの物語の全貌を明らかにしつつあります。
そのシーンとは、大規模テロが起きようとしている都内のとある場所で、ミハンのリーダー・井沢範人(沢村一樹)が拳銃を手にして立ちつくし、目の前には銃殺された女性が横たわっている、というもの。女性は香坂ですが、真相はいまだ謎のままです。

「初回のラストが、いきなりの山場ですからね(笑)。なぜ死んだのかもわからないし、善人なのか悪人なのかもわからないところからのスタートだったので、つかみどころがなくて。でも、回を重ねるごとに、香坂のバックボーンが明かされて、ミハンメンバーとの関係性や距離感も変わってきたので、もっとも変化の大きい役だと思います」

●香坂は、常人を超える正義感がある人

香坂は志願してミハン統括責任者となった女性で、井沢たちと同じように心に闇を抱えています。26年前に父親が無差別殺人を犯し、加害者家族として生きてきたのです。

「ミハンを法制化することが香坂の最終目標ですが、そこには彼女の過去が絡んでいます。“あのときミハンシステムがあって、父親の犯罪を防ぐことができたら、自分も家族の人生も違っていたはず”という強い思いがあるんです。常人を超える正義感がある人で、ベクトルは違いますが、妻と娘を惨殺されて激しい凶暴性を秘めた井沢さんと似た者同士かもしれません」

凜としたスーツ姿で、ミハンを統括している一方、井沢を派手に投げ飛ばすほどの強者でもある香坂。水野さんは、久しぶりのアクションにも挑戦しています。「そこがまた謎なんですよね(笑)」と、複雑な役柄に悩みつつも、こんなエピソードを話してくれました。

「監督は、アクションにこだわりがあるようで、沢村さんと手合わせをするときに、中段くらいの回し蹴りをすることになったのですが、もちろんパンツ姿でやると思ったら、当日用意されていた衣装はスカート。しかも、回し蹴りができるように、衣装さんにスカートをリメイクしてもらっていたんですよ(笑)」

ラストに向けて、香坂の驚くべき企みが明かされます。お楽しみに!

『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』

毎週月曜 夜9時(第1話は30分拡大)
フジテレビ系 全国ネット放送中

【水野美紀さん】

1974年、三重県生まれ。演劇ユニット『プロペラ犬』の主宰を務めるなど幅広く活躍する実力派女優。近年の作品に、ドラマ『探偵が早すぎる』『あなたには渡さない』『ミストレス~女た
ちの秘密~』、映画『おじいちゃん、死んじゃったって。』、舞台『ヘッダ・ガブラー』などがある。現在、NHK連続テレビ小説『スカーレット』に出演中