●片づけに無縁な人はいない
リアリティ番組で、アメリカのさまざまなお宅を訪れたこんまりさん。
すべての画像を見る(全10枚)「アメリカ女性と家事や育児の関係は、“なにもかもを母親が背負い込む”というよりも、“みんなで分担してやるもの”という認識が一般的になりつつあります。外食にお金を払うのと同じように、ベビーシッターや家事代行サービスも、ちゃんとお金を払ってサービスを受ける、という感覚」
「それこそベビーシッターなんかは、学生さんの定番のアルバイトでもあります。お邪魔したのが都市部のお宅だったからというのもありますが、家事に対する意識の合理化は、アメリカは、日本よりもだいぶ進んでんでいるなと感じました」
日本でも共働き家庭が増え、家事分担も進んでいますが、まだまだ女性が家事を背負い込みがちなのが実情。
「でも、自分が着たものを畳んだり、あるべきものを戻したりというのは、だれにとっても普通の行為で、“お母さんだけの役割”ではありません。幼い頃からそのことを大前提として育っていくと、将来的には自分自身がラクになれると思うんです」
自分で自分のものを片づけられる人になると、その人が親の立場になったら子供にも片づけ方の指導ができ……と、好循環へとつながってくると言います。
「今は、私がいろんなところでアドバイスをさせていただいていますが、各家庭が片づけのメソッドを伝えられるようになっていければベストですよね。それこそ『片づけられた!』という経験が、次世代の子供達の自己肯定感にも繋がるかもしれません」
「片づけのメソッドを通じて、ごちゃついていたものも、心の中もすっきり…。そんなふうに、アメリカも日本も、より自分に自信がもてる社会になっていければといいと思います」
●「ときめき」をもらえる新たな場
また、疲れたときは素直に周りの人に伝えるのも大事、とこんまりさん。
「『疲れた』『今日はもう無理』と正直に言っていいと思うんです。むしろ、言葉にしなければ相手には伝わりません。夫は私のビジネスパートナーでもありますが、家族としても疲れたときは素直に頼り、彼にいろんなことをお願いしています」
家事、子育て、仕事。現代を生きる女性には、やらなくてはならないことがたくさんあります。
精神的に行きづまったとき、こんまりさんはどのように乗りきっているのでしょう?
「行きづまりを放っておくと、永遠にそのままですよね。だから信頼できる人やコミュニティにアドバイスを求めたり、話し合うことも、“心の片づけ”“思考の整理”になるんじゃないかなと思っています。今、私は『こんまりサロン』というオンラインサロンを主宰しているのですが、そこに参加されている皆さんが、とても頼れる存在です」
今回の取材では、ロサンゼルスで開催されたオンラインサロンのイベントの様子も拝見。
事前に集められたさまざまな質問にこんまりさんが答えていきますが、話題は片づけの方法にとどまらず、夫婦関係のコツにまでも!
「ときめく人生を生きる、という同じ志をもった人たちの集まりなので、信頼し合えるんです。私自身、会員の方と励まし合ったり、意見を交わしたりして、大きな力、そしてときめきをいただく機会が増えてきました」
こんまりさんのインタビューは、発売中の
ESSE1月号にも掲載されています。そちらでは、こんまりメソッドについてや、来年に向けての展望も語ってくれました。ぜひチェックしてみてください。
【近藤麻理恵さん】
片づけコンサルタント。著書『人生がときめく片づけの魔法』シリーズが、全世界で累計1100万部を超すベストセラーに。2019年はNetflixの番組が注目を集める最新情報は
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