友人や家族とのやりとりに、もはや欠かせないのがSNSやLINE。ですが、「人とのコミュニケーションが便利になった一方で、SNSが原因のトラブルも増えています」と語るのは、ITジャーナリストの高橋暁子さん。

自分や家族、身の回りの人がトラブルに巻き込まれないように、最新の使い方を心得ておきましょう。

使い方をコントロール
SNSに振り回されないために、毎日やめる時間を決めるのもひとつの手です

プライバシー感覚をもちながら、使い方をコントロールするのが大事

なにげなく送ったママ友へのLINEや、おいしいものを食べると同時にアップするインスタグラム…。その投稿が、誤解やねたみを招き、トラブルに発展することも少なくありません。
トラブルを避けるには、どうしたらいいのでしょう? 

●本名は明かさない。住所が特定できる情報も伏せる

とくに気をつけたいのは、子どものプライバシー。世のなか善意の人だけではないので、子どもについて書く場合は「長女」などとし、本名を伏せると安全です。繰り返し書くことで、見ている人にも「SNSでは本名を明かさない」というスタンスが伝わるはず。 

写真は、自宅周辺で撮ったものは避けて。写り込んだマンホールなどから住所が特定されることもあります。

ママ友との集まりでは、撮る前に「アップしてもいい?」「顔出し&タグづけがNGの人は?」と、ひと声かけるマナーを徹底しましょう。 

●芸能人の情報の出し方をお手本に

芸能人のインスタはおしゃれですが、居場所が曖昧ですよね。これはファンに殺到されたり、危険から身を守るための策。

あなたの投稿も、だれに見られているかわかりません。お店などの紹介は、その場を去ってからにしましょう。

また「地元の駅で事故があった」「差し入れで○○というお店のお菓子を食べた」といった局地的なネタも注意。ローカルすぎるゆえに、たとえ匿名でも身元が判明しやすいのです。もし愚痴や悪口を書いていたらトラブルに発展しかねません。 

●SNSとLINEにのめり込みすぎないことも大切

SNSは日々の晴れやかな部分を選んで投稿することが多いもの。ホテルでランチをしたら、写真を撮り、報告したくなるのはみんな同じです。

それを見て、「みんな充実しているのに、私は…」と落ち込むのはナンセンス。いろんな人が順番にキラキラした写真を投稿するので、全員の毎日がいつも輝いて見える気がするだけです。

LINEも、それだけでコミュニケーションを完結させようとせず、現実世界の補完ツールとするのが賢い使い方です。

SNSは時間を区切って使う、目的別に使い分ける…。自分でかかわり方をコントロールして、上手に使いこなすように心がけましょう。

こんなときどうする?困ったシチュエーション別・解決法

ESSE読者300人にSNSのアンケートを実施したところ、LINEやSNSの使い方でこんなことに困っている…という声が多数あがりました。

人間関係にまつわるトラブルも多く、気軽な気持ちで投稿した内容が炎上して、実生活にまで影響が出たり、事件や犯罪の温床になったり、いじめのツールになったり…。

小さな誤解が大きな問題に発展してしまう前に、解決策を講じておきましょう。

●Q1.LINEの会話の抜けどきがわからず、ずるずると続けてしまう。すんなり終わらせるには?

宅急便、子どものお稽古の時間、夫の帰宅、親に連絡しなくてはいけないなど“外部からの要因”を理由に。「もっと話したいけど、○○があるのでごめんね」という終わらせ方なら、カドが立ちません。

●Q2.いつも深夜にLINEしてくるママ友。着信音で目が覚めるのを防ぐには?

通知音をオフにしておくのも手ですが、「最近寝不足で…」「深夜スマホって眠りが浅くならない?」「医者にも注意された~」など、あるある系の話題を使って、夜にはLINEを使わない意思を伝えても。

●Q3.あまり仲よくないLINEグループから悪目立ちせずに抜けるには?

退室表示が出るので、悪目立ちしたくなければそのままにしておくのが無難。設定機能を使い、よく話す人を優先表示にして、疎遠なグループのトークは目に入る頻度を減らすなど、スマホの設定で対策を。

●Q4.忙しくてLINEを「既読スルー」しがち。冷たい人と思われないためにはどうすればいい?

リアルで会ったときに「LINEは読んでいるんだけど、つい返事を書くのが遅くなっちゃうの。ごめんね」という言葉を、直接伝えるのがいちばん。自分の生活状況を説明し、悪意はないと理解してもらいましょう。

●Q5.子どもの写真を、ママ友が勝手にSNSにアップ!削除してもらうには?

仲のいい相手なら、「子どもの顔は公開したくない」と、削除をお願いするのがベスト。投稿にコメントすると目立ってしまい逆効果なので、伝えづらいなら、早く過去の話題へと沈んでいくようにスルーしても。

●Q6.軽い気持ちの投稿が誤解を生んで批判コメントが!どう対処すべき?

投稿を削除するだけでは、悪印象が残る危険性が。自分に非があると思った場合は素直に謝りましょう。一方、コメントの内容が的外れなら、返事をせずにそのまま流してしまうという方法もあります。

●Q7.親しくない人からフォローされてしまった。できれば相互フォローしたくないけど…

インスタグラムは人間関係を引っぱりすぎないサービスなので、無理にフォローし返さなくても大丈夫。フェイスブックの場合は友達に追加しても、「投稿を非表示」にすれば、相手の投稿を見ずにすみます。

●Q8.匿名でSNSをやっているのに、知人が「知り合いかも?」に表示された!避けるには?

じつは同じ携帯電話の基地局を使っているだけでも「知り合い」と表示されるほど、SNSのシステムは発達しているので、諦めて。そして匿名でも、具体的な悪口は絶対に書かないようにしましょう!