力士が柱に向かって行う稽古の「テッポウ」や、柏手を打つ「土俵入りの型」。「じつは上半身の引き締め&ウェストシェイプに効果的なんです」と教えてくれたのは、高砂部屋マネジャーの元・一ノ矢さん。

 こわばってかたくなりがちな肩甲骨回りをほぐして可動域を大きくしつつ、上半身のインナーマッスルを鍛えてくれます。夏に向けて楽しく背中や二の腕を引き締めたいなら、この夏は「相撲エクサ」で決まり!

上半身の引き締め&ウェストシェイプ「テッポウ」

 (1)両手を前に出しリラックスして立つ

(1)両手を前に出しリラックスして立つ
(1)両手を前に出しリラックスして立つ
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肩の力を抜き、ひじを80~90度に曲げて両手を胸の前に出す。肩の力を抜き、ひざは軽く曲げ、足は肩幅に開いてつま先をやや外側(30~45度)に向けて立つ

 (2)右腕を左前に伸ばす

(2)右腕を左前に伸ばす
(2)右腕を左前に伸ばす

右腕を、肩甲骨から動かすように意識して左斜め前に伸ばす。指先には力を入れないようにして腕をしっかり伸ばし、上半身は腕と同じ方向に向く

◆(2)のPOINT

腕は肩甲骨から伸ばすことを意識する

腕は肩甲骨から伸ばすことを意識する

 (3)前に伸ばした腕をひねりながら戻す

(3)前に伸ばした腕をひねりながら戻す
(3)前に伸ばした腕をひねりながら戻す

伸ばした腕を、ひじを上げながら戻す。手の甲が顔の方を向き、半円を描いて額の前辺りを通って1の姿勢に戻る。このとき、肩甲骨を大きく回して動かすように意識する。左腕も同様にし、交互に3回繰り返す

◆(3)のPOINT

伸ばした腕を肩甲骨を使って引いていく

伸ばした腕を肩甲骨を使って引いていく

ひじをはるようにして引き、手のひらを上に向けるように返しながら元の姿勢に戻す。ひじに力が入りすぎて、肩より後ろに引かないよう注意して

(3)の悪い例

・腕を引きすぎて背中に力が入っている
・腕をひねっていない

●座ったままでも、寝たままでもできる「テッポウ」

パソコン作業で肩がガチガチにこったときなど、座ったままテッポウを数回繰り返すのもオススメ。また、あおむけで行うと余計な力が入らず、初心者がコツをつかむのに最適

肩のコリ改善!気持ちのリラックス効果も「土俵入り」

 (1)足を広げ両手を上げる

(1)足を広げ両手を上げる
(1)足を広げ両手を上げる

足は肩幅よりやや広めに開いて、ひざを軽く曲げ、つま先はやや外側(30~45度)に向けて立つ。背筋は伸ばし、両腕は顔の真横よりやや前で上に伸ばす。ひじに力が入らないようにし、左右の手のひらは自然に前に向ける

 (2)両手を大きく広げる

(2)両手を大きく広げる
(2)両手を大きく広げる

左右の手のひらを前に向けたまま、息を吸いながら両腕を下ろして、肩の高さで大きく左右に広げる。このとき、両手は肩甲骨から広げることを意識して、ひじは力を抜いて自然に曲げる。下半身は(1)のままで

◆(2)のPOINT

肩甲骨から広げるように意識する

肩甲骨から広げるように意識する

 (3)両腕を胸の前に伸ばしバチンと手をたたく

(3)両腕を胸の前に伸ばしバチンと手をたたく
(3)両腕を胸の前に伸ばしバチンと手をたたく

息を吐きながら、両腕を前に伸ばして、胸の高さで両手を合わせてパチンとたたく。軽くもみ手をするように手のひらをこすり合わせるとよい

 (4)手のひらを上に向ける

(4)手のひらを上に向ける
(4)手のひらを上に向ける

胸の高さにある左右の手のひらを返して、上に向ける

 (5)両手を左右に大きく広げる

(5)両手を左右に大きく広げる
(5)両手を左右に大きく広げる

手のひらを上に向けた状態で、息を吸いながら両手を肩甲骨から左右に大きく広げていく。ひじは軽く伸ばし、手は肩よりやや高い位置に

 (6)両手を下ろす

(6)両手を下ろす
(6)両手を下ろす

左右の手のひらを下に返し、息を吐きながら肩甲骨をゆるめるようにして両手をゆっくりと下ろす。(1)~(6)までを3回行う

 夏に向けて引き締めたいところにピンポイントに効く「相撲エクササイズ」。仕事や家事の気分転換に、本気のエクササイズタイムに、ぜひ取り入れてみて。

監修/元・一ノ矢さん

(本名・松田哲博さん)

監修/元・一ノ矢(本名・松田哲博)さん
監修/元・一ノ矢(本名・松田哲博)さん

高砂部屋所属の元大相撲力士。2007年、46歳11か月で引退後、現在はマネジャーとして活躍。著書に『

お相撲さんの“腰割り”トレーニングに隠されたすごい秘密

』(実業之日本社刊)など