風邪やインフルエンザ対策で、マスクが手放せない季節になりました。マスクさえしていれば大丈夫と思いがちですが、じつは、適切に使わないと逆効果になることもあるんです。感染症対策の専門家である、東京都健康安全研究センター疫学情報担当課長・村上邦仁子さんに正しいマスクの使い方を伺いました。
すべての画像を見る(全3枚)使用後のマスクはひもを持って外し、密閉してゴミ箱へ
間違える人も多いマスクのつけ方。まずは表裏を確認します。プリーツが下になるのが表側。間違ってプリーツが上になると、そこにホコリや菌がたまってしまいます。
次に鼻を合わせます。ノーズワイヤを鼻筋に密着させて鼻の形に。こうすることで顔との間にすき間なく装着しやすくなります。じつはこれがポイント。しっかり顔にフィットするようにすることは、とても大切と村上さんは言います。
「外部からウイルスが侵入する可能性が生じてしまいます。また、自分のせきやくしゃみによる飛まつをまき散らすことにも。不織布のマスクなら、鼻部分のワイヤを鼻筋にフィットさせ、マスクをあごの下まで伸ばし、隙間なく着けましょう」(村上さん)
最後は捨て方。意外に思われるかもしれませんが、じつはこれもとっても大事。そもそも使用中のマスクは、口が当たる面はもちろん、外気に当たる面も汚れています。これは、たくさんの細菌やウイルスが付着しているから。
「マスクを手で直接触れてしまうとウイルスを媒介してしまうことがあるので、本体は触らないように心がけましょう。使い終わったら、ひも部分を持って外し、口を縛ったビニール袋などで密閉してからゴミ箱へ捨てます」
このように丁寧に捨てることで、屋内でのウイルスの拡散を防ぎます。うっかり触ってしまったときは石けんで手をしっかり洗いましょう。基本的にマスクは使い捨てと考え、こまめに交換することが大切です。