子宮筋腫や子宮がん、乳がんなどの女性特有の病気。最近では、闘病中の小林麻央さんがイギリスの公共放送BBCで、世界の人々に影響を与えた今年の「女性100人」選ばれるなど、ニュースに取り上げられないことはないほどです。

 なにがあってもポジティブに日々を歩んでいくことは大切なこと。しかし一方で、やはり不安を感じてしまう女性が多いことも事実です。そんななかで今、女性特有の病気を保障する医療保険が多く登場しています。

 備えておくべきなのか?どんな場合に加入すればいいのか?ファイナンシャルプランナーの海老原政子さんに教えていただきました。

女性特有の病気への保障にはどんなものがある?
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女性特有の病気への保障にはどんなものがある?

 女性特有の病気の医療保険とは、次のような病気を手厚く保障してくれるものを指します。医療保険として独立しているものもあれば、医療保険につけられる「特約」タイプのものなど、保険会社によってさまざまなものがあります。

●女性特有の病気の例

良性腫瘍(子宮・卵巣・乳房など)・悪性腫瘍(子宮がん・乳がんなど)・そのほかのがん・異常分娩・子宮外妊娠など

●女性特有の病気に対する保障の例

・通常の入院給付金に上乗せして給付
・手術費用の給付
・発症しなければ3年ごとにボーナス給付
など

※いずれも各社で規定や保障内容は異なります。

女性特有の病気のための医療保険は入るべき?

女性特有の病気のための医療保険は入るべき?

 こうした女性特有の病気の医療保険。やはり、加入した方がいいのでしょうか?

「女性だから、女性向けの医療保険に入るべきかといえば、じつは必ずしもそうではありません。一般的には、勤め先の健康保険の保障を踏まえ、通常の医療保険に入っていれば問題ないかと思います。

 ただし、30代後半から急増する乳がんや、50代以降、関節リウマチにかかるリスクが高まることなどを考えると、ご自身の状況や年齢に応じて、入っておいたほうがいい場合もあります。通常の医療保険に入っているのであれば、女性向けの病気を保障するためのコスト(特約保険料)と付加される保障内容のバランスで決めましょう。

 また、妊娠・出産時期に女性特有の保障をつけておくことで、心理的に安心できるということもあります」

【女性特有の保険を検討してもいいケース】

・年齢的に不安がある
・出産を計画している
・家族が過去に女性特有の病気にかかった

「年齢的なところはもちろん、出産前には一度検討しておいたほうがいいかもしれません。たとえば、結婚後、妊活中に子宮筋腫が見つかるといったこともありますし、出産も帝王切開であれば病気扱いになり、医療費がかかり、入院日数も延びます。

 もし病気が発覚したら、その病気について保障外になる(部位不担保)、もしくは医療保険そのものに入れないといった場合もあります。生命保険各社で規定が異なりますが、女性特有の病気をカバーする医療保険への加入を希望するのであれば、妊娠前・出産前は検討のタイミングといえるでしょう」

【一般的な医療保険を検討したほうがいいケース】

・貯金が少ない
・自分が病気やケガで入院して働けなくなると生活費に困る

「貯金も少なく、自分が働けなくなると生活に困るという場合は、医療保障の入院保障を厚めにしておくなど、備えておくと安心です。

 また、高額な医療費を支払ったときは、「高額療養費制度」があるため、払い戻しを受けられますが、入院中の差額ベッド代、食費などは対象となりません。重大な病気になったときには自己負担額が増えることを想定しておきたいですね」

いざというときのことをイメージして備えておきましょう

 女性特有の病気の医療保険は、必ずしも入る必要はありませんが、出産を計画している場合や、家族に疾病歴がある場合、自分が主要な働き手である場合などは、一度検討してみるとよさそうです。一般の医療保険と比較しながら、いざというときのことをイメージして備えておきましょう。