家計で大きなウエイトを占める食費。過去のESSEによるアンケートでは、みんなが削りたいと考える費目のナンバーワンという結果になりました。いたずらに節約するだけでは、食卓が貧しくなるのは必至。それだけに、達人たちはさまざまな工夫をして、節約をしています。
今回ESSEが注目したのは、食費節約達人の山井恭子さん(仮名)。夫と2人のお子さんと賃貸のマンションで暮らしています。山井さんがとくに意識しているのが、食材を無駄なく使いきること。週一回の特売日に買いだめた食材で献立を組み立てることで、食卓の質を落とすことなく、食事を楽しんでいます。
ここでポイントとなっているのが、冷蔵庫の使い方。実際にどのように活用しているのか、山井さんに見せていただきました。
1週間で上手に使いきるための下処理&分類収納テク
423Lと4人家族にしては容量が少なめな、山井家の冷蔵庫。工夫して、賢く活用しています。すぐ使う野菜は下処理し冷蔵室、しばらく保存できるものは野菜室、常備するものは冷凍室、などと保存場所を変えるテクニックが見事です。
●冷蔵室
ドリンクや、朝食用のバター、チーズもケースにまとめ、取り出しやすくしています。上から3段めの中央にあるのは、保存容器に入れた下処理ずみの野菜。「野菜を下処理することで、かさが減ってコンパクトに保存できる効果もあります」。庫内いちばん下のチルド室には、すぐ食べる魚や加工食品を。
A:つくりおきおかずの素
鶏胸肉はアレンジしやすい鶏ハム(右上)に。野菜スープ(右下)やヒジキ煮も数日分を一度につくる習慣にしています。一度に行えば、かかる手間や光熱費も節約! 「そのまま食べたり、アレンジして活用します」。
B:下処理ずみ野菜
キュウリは塩もみ、トマトは皮をむいてカット、カボチャはレンジ蒸しなど、週前半で使う野菜を下処理し保存。「透明の容器に入れ、パッとわかるようにしています」。
C:手づくりダレ
出番の多いタレはつくりおきに。「昆布のだししょうゆは湯豆腐や白身魚に、中華ダレはサラダなどに。夏はそうめんつゆが加わります」。
●野菜室
保存野菜は鮮度よくキープすることを心がけています。上から見て、なにがどれだけあるのか把握しやすいように食材を入れるように工夫も。
「水分の出るものはペーパー、においやすいものはラップでカバー。イモ類は新聞紙で包んで保管するのがコツです」。
●冷凍室 上の段
フレキシブルに使うスペースと、用途を決めたスペース(カット野菜の居場所)に分けて賢く活用しています。
E:刻み野菜
チャーハンなどに使う野菜は、細かく刻んでフタつきケースで保存。「凍ったまま調理OK。ショウガは丸ごと冷凍し、乾燥を防止。そのままおろせます」。
F:小分け野菜
ブロッコリーやゴボウ、カボチャなど、週後半用の野菜は火をとおして小分けにし密封袋でキープ。「お弁当のおかずや料理のつけ合わせがすぐにできて便利です」。
G:処理済みの肉・魚の一時置き場
こちらは一時置き場として活用するフリースペース。このスペースで冷凍が完了した食材は、下の段へ移動。
●冷凍室 下の段
週後半用の冷凍食材は、取り出しやすいように分類。「下の段はジャンルごとに立てて保存します。ご飯やヒジキ煮などのおかずの素は、困ったときに大活躍してくれます」。
H:下味なし肉
豚こま切れ肉は、料理に合わせて使いやすい分量に小分け。「副菜用に50g×2、焼きそば用に100g、メイン用に300gと、袋に分けて冷凍します」。
I:下味つき肉
鶏胸肉は下味をつけ、ぱさつきを防止するひと手間を加えています。「かたまり肉は塩・コショウし鶏ハムに、炒め物用はぶつ切り。から揚げ用に味つけしたものも常備しておきます」。
J:おかずの素など
K:ちくわ・油揚げ
油揚げやちくわは、使いやすいサイズにカットして冷凍し、スタンバイ。「みそ汁や副菜などに。少量ずつ取り出して使えます」。
L:バター・チーズ
M:魚介類
味が落ちにくい魚介類は、すぐにラップして冷凍室へ。「ブリしゃぶなど薄くカットしたいときは、半解凍してから切るときれいに切れますよ」。
N:ご飯
O:スープ・ソース
活用範囲の広いトマトソースは多めにストック。「シチューやチャウダーの残りを冷凍し、ランチに食べたり、ドリアのソースにしたりします」。
達人の収納術をマネして、冷蔵庫の中身を一度整えれば、あとは自然と食材を使いきれるようになります。また、しまい方がシステム化されているので、食材の迷子がなくなり、結果ダブり買いも減ります。食費節約を目指す人は、ぜひ実践してみましょう。