●家に乱入する子どもに注意したら「うるせえババアだな!」

もう一人の相談者の鈴木絵里さん(仮名・43歳・専業主婦)は、新興住宅が並ぶ袋小路に、小学生高学年の長男、夫と3人で暮らしています。引っ越してきた時は問題なかったのが、お隣さんの子どもが小学生に上がるかどうかという頃から、「道路族」問題に悩まされるように。

「このあたりは、徒歩5分圏内に公園や広場がいくつもある、緑に恵まれた地域なんです。にもかかわらず、親たちは子どもを道路で遊ばせ、自分たちは家の前で昼間からビールを飲んで、時にはお菓子まで食べながらおしゃべりに夢中。ボール遊びでうるさいだけでなく、お隣さんは自宅の駐車場でBBQ、プール、花火三昧。おかげで洗濯物はBBQの臭いがつき、さんざんです」(鈴木さん、以下同)

走る子ども
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他にも、窓を開けて夜にカラオケをしたり、子どもがピンポンダッシュしたり、ひどい時には鈴木さんがたまたまカギをかけ忘れた時は家の中に構ってほしい子どもが乱入してきたりと、道路族の大胆さはとどまるところを知りません。

「見かねて注意したことがあります。1回目は、うちにお客様がいらしたときに一緒に上がりこんできた子どもに。すると子どもは逆ギレして大声で『うるせえババアだな!』と怒鳴って逃走。2回目は、BBQの煙でわが家の洗濯物が臭くなることを親御さんたちに注意。すると、『臭いが洗濯物につくことがあるんだ』みたいな顔をして驚かれ、こちらが驚きました」

●ローン完済の数十年後まで地獄は続く

鈴木さんも、小石川さんと同様、念願のマイホームを購入して数年経ったばかり。ローンが完済するまで引っ越しはできないと嘆きます。

「お隣さんですから、そう何度も注意できません。角が立ちますから。最近は子どもの声を聴くだけでパニック障害になり、お薬を処方してもらっています。出かける時もお隣さんたちがいない時間帯を見計らって出るなどして、心身や生活にかなり影響が出ています。

多分、彼らに少しでも気遣いがあればこうはなってなかったと思うんですよね。普段からコミュニケーションが取れている関係性なら、多少うるさくても見逃せるところがあるじゃないですか。私は先手で謝るタイプだけに、謝罪どころか悪気すらない彼らには嫌悪感しかわいてきません。もはや、子どももその親も、顔も見たくないし声も聴きたくない。存在自体がトラウマです」

●袋小路の新興住宅地は道路族の温床!?

頭を抱える女性

小石川さんも鈴木さんも、最後にこう言いました。

「家を買おうとしている友人には必ずこう言います。子育て世帯が多く越してきそうな手頃な新興住宅地。それも袋小路は絶対にやめた方がいいよ、と。次に住むなら絶対に賃貸物件にします」

問題が解決するのは、騒音や迷惑行為をしている子どもたちが大きくなる頃…ではありません。自分か相手か、どちらかが引っ越しをするまで続きます。トラウマの原因となる隣人がそこにいる限り、つらい気持ちは消えないからです。