ルーを使ったカレーは定番のおいしさですが、味がいつも代わり映えしないのが悩ましいところ。「そんなときは、スパイスの“クミンシード”をちょいたししてみてください! 味に一気に深みが出ますよ」と教えてくれたのは、“流しのカレー屋”こと阿部由希奈さん。
スパイスでカレーとはなんだか難しそうですが、いちからつくるわけではなく、いつものルーのカレーにたすだけなので簡単。クミンは老化予防効果があるといわれ、先日NHKの『あさイチ』でも取り上げられた、今注目のスパイスです。そんなクミンシードを使った、お手軽で楽しいカレーのアイデアを紹介してもらいました。

キーマカレー
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クミンシードを加えるだけで、ルーのカレーが劇的に変身!

クミンシード

クミンは、スーパーのスパイス売り場に必ずと言っていいほど置いてある、基本のスパイスです。パウダー状になったものもあるのですが、今回はクミンシードという種のままのものを使用します。種状のスパイスを“ホールスパイス”と呼び、パウダーと比べると香りが穏やか。そのぶん長時間香りを持続できるのがホールスパイスの特徴です。

購入したら、まずは香りを確かめてみてください。エキゾチックな香りがしますが、どことなく“ゆかり”を想起させる香りが混じっているようにも感じませんか。かいでみてどのような香りに感じたかは、スパイスを使ううえでとても大事です。「◯◯に似ている香りだな」「この食材と相性がよさそうだな」など、気づいたことをささっとメモにしておくと、スパイスに慣れてきたとき、自分らしい活用方法を見つけることができますよ。

このクミンシードを使って、いつもとちょっと違うカレーをつくってみましょう。ほくほくのサトイモとブロッコリーの歯ごたえ、それに豚ひき肉のコクが加わり、食欲をそそります。スプーンをすすめるとときおり、クミンシードの香ばしさが口の中に広がりますよ。

●ほくほくサトイモとブロッコリーのキーマカレーのレシピ

【材料(5人分)】

・タマネギ(薄切り) 中サイズ1個
・豚ひき肉 400g
・サトイモ(皮をむいて一口大に切り、かたゆでにする) 3個
・ブロッコリー(さっとゆでる) 1株
・カレールゥ 商品の分量による
・クミンシード 大さじ1
・サラダ油 適量

【つくり方】

クミンシードを鍋に入れます

(1) 鍋にサラダ油を熱し、クミンシードを入れます。じわじわとクミンシードが動き出し、いい香りがするまで焦げないように気をつけながら、弱火で待ちます。熱によってクミンの香りが花開き、油にその香りを移してカレー全体に行き渡らせるための作業です。

タマネギを炒めます

(2) クミンシードと一緒にタマネギを炒めます。余っていたらブロッコリーの茎の部分も細かく刻んで一緒に炒めても。タマネギが透きとおってきたら豚ひき肉を入れ炒めます。

煮込みます

(3) ひき肉の色が変わったら、500ccの水を入れサトイモも投入し、軽く煮込みます。お好みのカレールゥを入れ、再度弱火で煮込み、サトイモが柔らかくなったらゆでたブロッコリーを入れざっと混ぜます。

(4) お皿に盛りつけ完成! お好みで半熟卵をのせるのもいいですね。

よく、「スパイスは敷居が高い」という声を耳にしますが、じつはとっても簡単。もちろんカレールゥの中にもスパイスは入っているのですが、さらにスパイスをプラスすることで香りも味わいも豊かになるんです。ひと手間で気軽にお料理の世界を広げてくれるスパイス料理、ぜひ試してみてくださいね。