室内のあらゆる場所につくられたキャットウォーク、畳を敷いた小上がり、躯体現しの壁。見どころいっぱいのMさんのお宅は、築50年の団地をリノベーション。パートナー、そして2匹の猫とともに暮らしています。入居前は2LDKだった間取りをワンルーム+収納に。LDK、寝室、仕事場の空間すべてがひとつに集約された、機能的なスペースにつくり替えました。
すべての画像を見る(全19枚)キャットウォークをインテリアの一部に
壁面、天井のあらゆる場所につくられたキャットウォークは「インテリアに違和感なくなじませたかった」というМさんの希望で、木とワイヤーを組み合わせたおしゃれなデザインに。取り外しも可能です。
畳を敷いた小上がりは収納を兼ねた寝室スペース。昼間はくつろぎのスペースとして活用しています。足を伸ばせる空間はふたりのお気に入り。
2匹の猫が自由に動き回れるキャットウォーク。
各所にある猫ドアは、丸みをつけて全体に統一感を持たせました。
木と鉄を上手に組み合わせてインテリアの一部に。
階段状のデザインや、猫が顔を出せる箱状の造作物など遊び心満載。
【この住まいのデータ】
▼家族構成
本人30代 パートナー20代
▼リノベを選んだ理由
リビングを広くして、猫も人も暮らしやすい家にしたかったから。特に、リビングの天井をぐるりと囲むように配置したキャットウォークにはこだわった。
▼住宅の面積やコスト
専有面積/60.59㎡ 築53年(1967年築) 物件価格/2700万円 工事費/1300万円(税・設計料込み)
クールなコンクリートと木の風合いが融合した住まい
躯体現しにした古い団地特有の壁面が味わい深いリビング。壁のトーンに合わせたインダストリアルかつ硬質なインテリアがよくマッチしています。
白い壁とタイル貼りの床でキッチンとリビングの場を分けています。収納はオープンシェルフを利用し、全体のトーンに合わせています。家電もモノトーンでそろえてすっきりとした印象に。
キッチンは、とにかく使い勝手のよさを重視したかったといいます。
リビングの一角にはワークスペースを設けました。手前の小上がりは寝室、日中はベンチとして気分によって活用法を変えられるのが魅力。
構造壁の凹凸を利用して洗面スペースに
Мさん自身が「感動した」というリノベポイントが、構造壁の凹凸を利用した洗面スペース。デッドスペースになりがちな隙間を有効活用してスタイリッシュで生活感を排したインテリアに。
玄関横にあった部屋は広々した土間とウォークインクローゼットに。玄関土間にはたっぷりの靴収納も。荒々しくはがされたままの躯体現しの壁と天井がラフな雰囲気を演出しています。
ウォークインクローゼットには、2人分の衣類を収納。除湿機を完備し、ランドリールームとしても活用しています。
廊下から玄関への眺め。ストレージや廊下、洗面回りなど一部の壁には「カオチン」という塗料を使用しました。モルタルに近い質感でありながら、扱いが簡単で低価格なのが魅力。
ストレージの入口は、アーチ型の垂れ壁で「秘密の小部屋風」に。
ストレージには仕事道具や趣味の愛用品を収納しています。
壁際の凹凸を利用してディスプレイ棚にするなど、随所にスペースを有効活用する工夫がされています。
以前はサニタリースペースと直結していたトイレを分離して使いやすく。
拡張したサニタリーには、愛猫用のトイレや収納を確保しました。この空間は多目的に活用できるので重宝しているそう。
生活スペースと収納を分けたことで、整理整頓がしやすくなったというMさん。細部にまでこだわったリノベーションで猫と一緒に心地よく暮らせる住まいを手に入れました。
設計・施工/リノベる。
物件探しや住宅ローンの相談、設計・施工、インテリアコーディネートの相談まで、専属スタッフがトータルサポート。累計3000戸以上の住宅設計・施工実績を有している。北海道から九州・沖縄まで全国に展開するショールームは、リノベのイメージをつかみやすいと好評。
撮影/相澤利一 ※情報は「リライフプラス vol.38」掲載時のものです