あれこれと夢を描き、完成した家は楽しいことだらけ!のハズが、なぜか残念でトホホな目にあってしまうことも。そんな経験を持つ、家づくりの先輩の体験談を紹介します。タイルにもこだわり、あこがれの洗面カウンターを実現したMさん。しかし、たった2年でタイルが無残な姿になってしまいました。マイホームを検討中の人は、転ばぬ先の杖にしてください。

洗面室のカウンターのモザイクタイルが無残な姿に
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目次:

モザイクタイルにもこだわり、ヨーロッパの田舎家風の家を新築前兆があったのに、洗面カウンターの異変に気づいたのが遅かった教訓:造作した水回りのタイルの不具合は、程度によっては専門業者に相談を

モザイクタイルにもこだわり、ヨーロッパの田舎家風の家を新築

ヨーロッパの田舎風の家

幼い娘と暮らすMさん夫妻は、「レトロでかわいいものが好き」という妻の願いで、ヨーロッパの田舎家風の戸建てを新築。

「ママ友を招いてカフェのようにくつろいでもらいたかったので、ゲストが手を洗う洗面室のカウンターのデザインにもこだわりました」

デザインでとくにこだわったのは、妻がひと目ぼれした、美しい色合いにモザイクタイル。カウンターの天板や側面などに貼り、レトロ調の水栓などを採用して個性的に。水栓上部の壁には収納棚も造作しました。「タイルの目地は白ですが、黒ずんだら汚れの目立たないグレーに変更を」と、メンテナンスにも気を配ります。

前兆があったのに、洗面カウンターの異変に気づいたのが遅かった

洗面台は大切に扱っていましたが、ときにはカウンターに物を落とすことも。そのたび、タイルがキズつかなかったかを確認し、胸をなでおろしたそうです。

約2年が過ぎた頃。洗面台の上の収納棚から物を取ろうと、いつものようにカウンターの端に手をついて、一方の手を棚に伸ばすと…。

「一瞬、カウンターの側面に触れた指先に違和感が。硬いはずのモザイクタイルが、なんだかふわふわしたような気がしたんです。でも、急いでいたし、気のせいだと思ってそのままに」

すっかりそのできごとを忘れていた妻ですが、ある日、カウンターのふき掃除をしていると、今度は明らかに側面のタイルが浮いたような状態に!「このままではタイルがはがれ落ちる?」と、DIYで補修しようとしましたが、「慣れないことをしてひどくなったら大変」と、業者に修理してもらったそうです。

「物の出し入れや手洗いでもたれかかったり、物を落としたりしたのが一因のようです。しかし、まさかそれではがれそうになるなんて。あれほど気にしていた目地はまだきれいなのに」

予想外の事態に、驚きと落胆を隠せないMさん夫妻でした。

教訓:造作した水回りのタイルの不具合は、程度によっては専門業者に相談を

洗面カウンターのタイルに少しひびが入った程度であれば、専用の補修材を使ってDIYすることも可能。しかしながら、Mさんの家のようにタイルがはがれ落ちそうな場合は専門業者に依頼し、修理や対策などをしっかりと行った方がいいでしょう。仕上がりもきれいで安心です。

イラスト/いぢちひろゆき 写真/PIXTA(イメージ)
※情報は「住まいの設計2021年10月号」取材時のものです