家づくりで根強い人気の吹き抜けリビング。開放的で気持ちよさそうですが、光熱費が心配です。日刊住まいライターは9年前に家を建てたとき、夫からの強い要望で20畳のLDKに約6畳分の吹き抜けをつくりました。つくってよかったと思う反面、デメリットに感じること、こうすればよかった!という反省点もあるそうです。さっそくレポートします。

LDKにつくった6畳の吹き抜け
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目次:

開放感があってくつろげるのは、なによりのメリット光熱費は予想以上の高さ。シーリングファンの掃除も負担にメリットの方が大きい吹き抜け。もっと光熱費対策を考えておけばよかった

開放感があってくつろげるのは、なによりのメリット

リビングの吹き抜け

夫には新築計画中にこれだけは外せないポイントがありました。そのひとつがリビングに吹き抜けをつくること。理由を聞くと「開放感があるから」とだけ答えましたが、筆者は光熱費が高そうでどちらかというと否定的。それに吹き抜けを設けると2階のスペースが思った以上に狭くなってしまいます。

結局、夫に押された筆者が折れる形となって吹き抜けを採用。否定的だったわりには今ではリビングの吹き抜けを眺めてボーッとする時間が日課になるほど気に入っています。

リビングの吹き抜けの2階の壁には、屋根の勾配に合わせた形のFIX窓を設置

2階の壁には自然光が入るように、屋根の勾配に合わせた形のFIX窓を設置。デザインも楽しめるうえ、自然光が入って日中は明るすぎず暗すぎないちょうどよい雰囲気の空間になっています。

そしてなにより感じるのがその開放感。吹き抜けに否定的だった筆者でしたが、リビングのソファに座って天井を見上げると、ゆったりとした気分に。つくってよかったと実感しています。

吹き抜けには板張りのパイン材も使用。木の温もりに包まれているような安心感があります。この吹き抜けをつくったことで、家族や訪ねてきた友人とも、コミュニケーションを取りやすい雰囲気が生まれました。

光熱費は予想以上の高さ。シーリングファンの掃除も負担に

リビングの吹き抜けに設置してあるエアコン

夫とふたりで住み始めた新築当初は、夫も筆者も仕事で在宅時間も短かったことから、電気代を高いと感じたことはありませんでした。

3LDKの賃貸マンションに住んでいたときには真夏でも電気代は1万円以下で、今の一戸建てに引っ越してきたときも光熱費は大差なし。しかし子どもが2人になり家族が増えたことで、冷暖房を使う頻度は格段に増加。光熱費もアップしました。

オール電化なのでIHコンロや、電気、2階のエアコンを使用した料金も含みますが、夏場はエアコンを毎日つけて2万4000円ほど。エアコンを使わない季節は1万5000円台まで下がりますが、冬場はなんと3万9000円に。
4万円近い電気代を見たときには驚きましたが、さらにひと冬で薪ストーブの薪代が4万円〜6万円ほどかかります。

夫が暑さや寒さに弱いこともあり、真夏や真冬はエアコンを毎日フル稼働させているのも光熱費が高い原因かもしれません。

リビングの吹き抜けに設置したシーリングファン

空気の循環をよくするため、シーリングファンを設置していて夏場は下向きに、冬場は上向きに送風しています。

これだけでも部屋の暑さや寒さは大きく変わりますが、シーリングファンの掃除がしにくいのもデメリットのひとつ。吹き抜けに設置したシーリングファンは、椅子に登って届く位置ではありません。

2か月に1度は机の上に脚立を置いて、ファンの羽のふき掃除をしていますが、かなりの負担です。

メリットの方が大きい吹き抜け。もっと光熱費対策を考えておけばよかった

吹き抜けをつくるなら光熱費対策も必要

「なんとかなるでしょ」という楽観的な気持ちでいたことで、吹き抜けをつくった場合のデメリットへの対策は皆無でした。
住み続ける期間が長くなることで光熱費が高いと感じつつも、とりあえずはまだまだ電気代も節約できる余地はありそうです。
ただ、もし家を建てる前に戻れるのなら、吹き抜けにカーテンやロールスクリーンの仮の天井を設置するなど、対策を考えておきたいと思いました。

デメリットを挙げればキリがありません。でも、この吹き抜けのあるリビングで家族とくつろぐ時間は、かけがえのないものになっています。