モデルハウスは、ハウスメーカーや工務店などが自社のPRや販売促進のために建てた住宅のこと。分譲地内に建てられたものは、展示期間が終了したのち販売されるのが一般的です。実物を見ることができるのでイメージとのギャップがなく、ゼロから建てるよりも割安で購入できるケースが多いなどメリットが多いのも事実。しかし、実際に住んでみるとなるとどうなのでしょうか?今回は、そんなモデルハウスを5年前に購入したという日刊住まいライターが、住んで分かったメリットとデメリットをレポートしてくれました。
すべての画像を見る(全5枚)展示期間が終了した地元工務店のモデルハウスを購入!
モデルハウスとは、住宅メーカー各社が広告として使う実物大の見本のようなもの。これだけ聞くと、住宅展示場に並ぶ風景が浮かぶ方もいるかもしれませんが、分譲地内に建てた家のひとつを販売する場合もあります。
「ほかの人が内覧し終えた建売住宅」と言えばイメージしやすいかもしれません。筆者の一家は、展示を終えた地元工務店のモデルハウスを購入することにしたのです。
イメージ通りの家でリーズナブル!購入の決め手となったメリット3つ
モデルハウスは、夫・私・子ども2人・猫2匹の生活にマッチしていました。以下の3つのメリットがあったことが決め手となり、購入を決めました。
イメージと実物の間にあるギャップはほぼゼロ!
注文住宅よりも、展示されたものをそのまま購入するほうが、自分のイメージと実物との間にギャップがありません。こちらも、わが家にとっては魅力的でした。家の中を内覧したときについている照明や棚、エアコンはそのまま付いてきます。実際の日当たりの確認もできました。また、漆喰の壁や無垢材など使用している材料を自分の目で確認できたこともよかったです。
立地条件がよく、駐車場も外構も完成ずみ
モデルハウスは多くの人に見てもらうことを前提としています。そのため、周辺の環境や交通アクセスが整っている場所に建てられている場合が多くあります。将来的にもし家を手放すことになったとしても、この立地条件であれば資産価値が高めだというのも重要ポイントでした。
また駐車場はもちろん、ウッドデッキや庭の植物に至るまですべて完成した状態で購入できるのが、モデルハウスのメリットだと思います。
低予算だけど魅力的な家が手に入る!
モデルハウスは「竣工後ある程度の期間が過ぎている」「複数の人たちの出入りがあった」などを理由に、建てた工務店が通常より安く売りに出すことがあります。そのため、建物だけで見ると、新築物件を建てるよりも安く購入できる可能性があります。
実際にわが家は、規格外で予算のかさむ大きな窓やキッチン、外構もすべて整っている家を、リーズナブルな価格で購入できました。おそらく同じスペックの家を注文で建てるとなると、予算オーバーで買えなかったと思います。
デザイン重視で掃除しにくい、装飾過多…モデルハウスならではのデメリットも
いろいろとメリットを挙げましたが、もちろんデメリットもあります。
モデルハウスですから、多くの方が内覧しています。ご近所の人や、見ず知らずの方が間取りを知っていることに防犯上少し不安を感じました。
また、購買意欲をかき立てるための設備は、実際に生活していて掃除がしづらいことがあります。例えばタイル張りのキッチンと洗面所は、デザインがかわいくお気に入りの反面、タイルの隙間に汚れが付いて、こすらないと取れないこともしばしば。
ほかにも、モデルハウスで販売期間中に使用されていた巨大な黒板や棚、アイアンバーの装飾品は、いまだにどう使えばいいのか分からずにいます。
人によって感じるデメリットはそれぞれ違うと思いますが、モデルハウスの購入時には実際の生活をイメージしてみるといいと思います。
今回は、あくまでも自身の体験から個人的に感じたことをお伝えしました。これまでの説明以外にも、傷や汚れ、設備の保証期間など、いろいろ考慮しなければならないことがあります。
メリットとデメリットをしっかり確認して、検討してみるとよいでしょう。