憧れだった薪ストーブを諦めきれず、家を新築して1年後に設置することに。そんな、日刊住まいライターが薪ストーブについて語ります。住まいは夏は暑く冬は寒い熊本県。薪ストーブを入居後に設置する際に苦労したことや、7年間使ってみて感じているメリットなどについてレポートします。
すべての画像を見る(全8枚)入居して1年後。やっぱり薪ストーブがほしい!
家を新築する際、薪ストーブを設置するかどうか悩んだ末、結局設置しませんでした。その代わり、入居後に設置することもできるように、スペースだけ確保しておくことに。
1年ほど暮らした後、やはり薪ストーブのある暮らしがしてみたい!と思い立ち、工事をすることにしました。ただ、屋根に穴をあけて煙突工事をする必要があるので、施工後に雨漏りしたらどうしよう、などと少し不安やためらいがあったのも事実です。足場を組まずに作業ができたので、設置工事は1日で終わりました。
わが家では大体午後5時前から火をつけ、夜12時くらいまで使用して火を消します。薪を数本入れておくと朝でもほのかに部屋が暖かいです。
薪ストーブを設置してから、「このサツマイモ、薪ストーブで焼くと絶対美味しいわよ!」などとお隣さんからお裾分けをいただいたりする機会も生まれ、そんなときは設置してよかったなと感じます。
薪代はワンシーズンで3万6000円ほど
薪を自分たちでつくることも考えましたが、トラックや薪割り機などの設備投資が必要になってくるため、業者に依頼することに。価格はクヌギが100kgで6000円。ひと冬にだいたい600kgくらい使うので、薪代はワンシーズンで3万6000円ほどかかります。
薪ストーブ選びは、カタログだけで決めるのは難しいので、いくつかのショールームに見に行きました。選んだのはクラシックなデザインが人気のノルウェーのメーカー「ヨツール」のF3。暖房面積は約30坪ほどです。
わが家は39坪なので、正直やや物足りないスペックかなと思いましたが、サイズが大きいとその分薪も多く必要になるので、F3に決めました。実際に使用してみるとこの大きさで十分。ちょうどよいサイズだったと感じています。
とくに2階にある寝室は、冬場はエアコンがまったく必要なく、朝まで暖かく過ごせます。
床や壁のインテリアにこだわりたかったけれど…
薪ストーブの炉台は、設置が簡単なガラスのフロアプレートを選びました。スチールのものなどもありますが、透明ですっきりと見えるのでこれで良かったと思っています。
背面には遮熱板を設置。かなり重いですが、固定していないので、ストーブの裏側の掃除などがしやすく満足しています。ただ、新築するときに薪ストーブを設置しておけば、壁をレンガにするなど、もっとインテリアにもこだわれたのに、と少しだけ後悔しています。
薪ストーブは手間がかかるからこそ愛おしい
価格は、薪ストーブ本体が約30万円、炉台のガラスプレートは約4万円。その他煙突や部品代、工事費を入れるとトータルで90万円弱でした。設置したばかりの頃は子どもたちが小さかったので、ハースゲートも設置しました。こちらは約2万円ほど。
薪ストーブは部屋が暖かくなるまでに時間がかかりますし、こまごまとしたメンテナンスも必要で、それなりに手間がかかります。でも、手間がかかるからこそ愛おしいのが薪ストーブ。火を見つめていると、体だけでなく心も暖かくなり、大変だったけど設置してよかった、と実感しています。