杉無垢材の床にヴィンテージ感のある家具を合わせた空間に、そっと散りばめられた和の空気。古材やタイル、レトロ感のあるガラスがさりげなく和を演出しています。約57㎡の空間の半分ほどを占めるLDKの一角には、ハコのようなロフトを新設。上下の空間を有効活用して、ワークスペースをはじめ多目的に使えるプラスアルファの居場所をつくり出しました。

レトロ感のある家具を置いたダイニング
すべての画像を見る(全16枚)

目次:

LDKのロフトに大人も子どももワクワク!和テイストなキッチンの、レトロな素材たち見やすい大容量の収納でスッキリ空間を実現賢くコスト調整し、満足度の高いリノベを実現間取り(リノベーション前後)

LDKのロフトに大人も子どももワクワク!

ロフトのあるLDK

「集中できる個室が欲しい」という夫の要望を受けてリノベーション会社・フィールドガレージが提案したのは、上下2層に分けた箱のようなロフト。上階は夫専用のワークスペース、下階は幼い長男の遊び場にしています。ロフトを壁で囲うことで、夫妻が希望していた「こもり感」のある空間がLDKに生まれました。

ベンチにもなるロフト階段

ロフトを囲む壁は夫がDIYで白く塗装。コスト調整になるだけでなく、家づくりの楽しい思い出にもなりました。ロフトへ上がる階段は、ベンチの役割も果たすマルチな存在に。

ロフトのワークスペース

ロフト上階のワークスペース。壁の上部に抜けをもたせ、こもり感はありつつ、閉塞感が出ないよう配慮しました。

ロフト下のプレイスペース

ロフト下階は古材を用いた引き戸を設置して、茶室のにじり口のような雰囲気に。1m弱という天井高で「非日常」を楽しめる空間です。

【この住まいのデータ】

▼家族構成
夫36歳、妻36歳、長男3歳

▼リノベを選んだ理由
リノベーションを見据えて中古マンションを購入。2年間暮らして感じた不満を解消し、「集中できる個室が欲しい」「子どもの様子が分かるオープンキッチンにしたい」という希望を形にするため。

▼住宅の面積やコスト
専有面積/57.10㎡ 工事費/1100万円(税・設計料込み)

和テイストなキッチンの、レトロな素材たち

取っ手にもこだわった美的キッチン

「子どもの様子が分かりにくい」と不満を持っていた既存のセミクローズのキッチンは、オープンキッチンに変更。面材は木製、取っ手はシンプルなデザインの真鍮を用いるなど、美的キッチンにこだわりました。

和を感じる食器棚

夫妻は古材やレトロな建材を扱う葉山の「桜花園」に足を運び、自らガラスをチョイス。それを使ってフィールドガレージに食器棚を造作してもらいました。ナチュラルな空間に和の素材がしっくりと調和しています。

見やすい大容量の収納でスッキリ空間を実現

オープン収納のある玄関

玄関にはオープン棚をつくり、靴と親子3人分のリュックを収納できるようにしました。

大容量のウォークインクロゼット

家族共有のウォークインクロゼットも新設。洋服や大型スーツケースなど、収納するものの数やサイズに合わせて棚の位置を決め、夫がざっくりと設計ラフを描いたというこだわりの収納です。

ウォークインクロゼットに設けた内窓

ウォークインクロゼットには室内窓を設置して、通気性を確保しています。ゆらぎのあるレトロなガラスをはめ込んで和モダンな雰囲気に整え、機能性と見た目の美しさを両立しました。

LDKに備えたワイドな壁面収納

さらに、LDKの壁面にはワイドな収納も。掃除機や子どものおもちゃなどを収めています。扉はパイン材のルーバータイプなので、通気性も良好。

賢くコスト調整し、満足度の高いリノベを実現

シンプルな仕上げの寝室

シンプルに仕上げた寝室。将来は子ども室として使う予定です。

パイン材で造作した洗面台

寝室の向かいにあるサニタリー。パイン材で造作して大型の病院用シンクを組み合わせたオリジナルの洗面台は使い勝手も良好。洗面用具などを収納する棚にも、レトロなガラスを用いています。

ロフトから見下ろしたオープンキッチン

「集中できる個室」や「子どもの様子が分かるオープンキッチン」という希望を実現させたHさん家族。その一方、予算内で収めるためにロフトの壁をDIYで塗装したり、LDKの天井を躯体現しのままにするなど、コスト調整も賢く行ったことで、満足度の高いリノベーションをすることができました。

間取り(リノベーション前後)

リノベーション前の間取り図

リノベーション前

リノベーション後の間取り図

リノベーション後

設計/フィールドガレージ
自由な暮らしを提供したいという思いから、2004年にリノベーション専門の設計事務所を設立。工事の請け負い、不動産仲介も手掛け、リノベ向きの物件探しからローン審査・売却、賃貸管理のサポートまでトータルにコーディネートする

撮影/山田耕司 ※情報は「リライフプラスvol.37」取材時のものです