埼玉県さいたま市大宮区に住む劉さんのお宅は、戸建てをリノベーションしたもの。SOHOとなっていて、現在は日本製品を中国に卸す貿易の仕事をしています。以前はネイリストをしていて、「自宅でネイル喫茶を開きたい」と中古戸建てをリノベーションしました。リノベーションは以前、劉さんが見かけて「こんな家に住みたい」と思ったという新築一戸建てを手掛けた、ハグホームに依頼。リノベーションのテーマとなったのは、黒と白を基調とした会話がしやすい空間でした。
すべての画像を見る(全16枚)互いの気配が感じられるSOHO
物件は延床面積94.05㎡の3階建て。築約40年の店舗併用住宅で、物件価格は1850万円でした。工事費1800万円(税・設計料込み)をかけたリノベ後に、当初はネイル喫茶店をオーブンしました。今は貿易業に転向。
リノベでは室内をすべて解体して老朽化した部分を修繕したうえで、壁と天井には断熱材を充填するなどしっかりと下地を整えたそう。サッシは既存を生かしてアルミを劉さん好みの黒に塗装し、戸車などの部品と網戸交換のみにすることでコストにも配慮しました。
劉さんは小学生の長男を育てながら仕事をするワーキングマザー。オフィススペースは開放的で互いの気配を感じられるつくりのため、宿題をするときや家庭教師が来たときにもここを利用している、という長男の様子に目が届きやすいそう。
オーク材のテーブルとカウンターテーブルはハグホーム製、ライトはflame のもの。
オフィスでは、ゲストやスタッフに中国茶をふるまうこともよくあるそう。「こうしてお茶を飲みながら、みんなとゆっくり会話をするのが至福の時です」
スタッフ用のスペースも開放感たっぷり。室内窓で空間を緩やかに仕切っています。「STAFF ONLY」のプレートもハグホーム製です。
グリーンのタイルが印象的なオフィスのトイレ。天井と壁には漆喰を塗り、見た目の温かみと空気の清浄効果を狙いました。
外階段でプライベート空間へのアクセスを向上
裏庭兼カースペースで家族や仲間とゆったり過ごすことも。ここには、2階のプライベート空間との動線をスマートにする外階段を設置しました。
外階段を上がれば、そこはもう2階にある住居の玄関。建具はハグホーム製、収納力の大きなパイン材の靴収納もオリジナルです。
2階は写真手前のキッチンと奥にあった和室が引き戸で仕切られていましたが、仕切りを取り払ってワンルームのLDKとしました。パーケットの床にはオーク無垢フローリング、壁・天井には漆喰を採用しています。
パイン材を使った造作のカップボードには、食器から調理家電まですっきりと収納。ウッドワンのキッチンと壁のタイルも調和しています。
劉さんが好きな白と黒で、個性的に仕上げたサニタリー。選んだタイルの形や貼り分けによって、クールとカワイイが共存する空間になりました。
1階オフィスのトイレとは雰囲気を変え、住居スペースのトイレには六角形タイルを壁にあしらっています。
リノベで人生が好転。まるで宝くじが当たったみたい!
キッチン側には、住居スペースの2階と3階をつなぐ階段があります。黒の手すりと、足音を抑えるカーペットがアクセントに。
3階には洋室と寝室があります。洋室の押し入れと収納は既存を生かし、建具はすべてハグホームのオリジナルのものに交換しました。
写真手前が寝室です。カーテンで大型のクローゼットを仕切ることで圧迫感を減らし、洋服の出し入れもスムーズにしました。
床には洋室から寝室まで通してパイン無垢フローリングを張り、視覚的なつながりを演出。無垢材ならではの温かみと、漆喰で仕上げた壁が相まって、安らぎのある空間になっています。
「仕事と暮らしを一緒の空間でするようになったら、時間と心に余裕が生まれてすべてがうまく回るようになりました。私は仕事と子育てを両立できる環境をリノベで実現できて、大きく人生が変わりました。まるで宝くじが当たったみたい!(笑)」と劉さんはリノベ後の暮らしについて話してくれました。
設計・施工/ハグホーム
撮影/水谷綾子
※情報は「リライフプラスvol.34」取材時のものです