Hさん夫妻は東京都大田区で築20年、専有面積75.78㎡の中古マンションを購入。工事費 1162万円(税・設計料込み)で人生初のリノベーションにチャレンジしました。人生の節目ごとに12回もの住み替えを体験してきたというHさん。初リノベで実感したのは「家に合わせるのではなく、自分たちの暮らしに合わせてつくるとストレスがない」(夫)ことだったそうです。

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セレクトオーダーで浮いたコストを上手に活用暮らしやすさを向上する回遊できる動線

セレクトオーダーで浮いたコストを上手に活用

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リノベのきっかけは、なんと「休みの日に子どもと行けるイベントを探していて、たまたま今回リノベを依頼したブルースタジオのイベントに参加したこと」(夫)だったとか。

基本的なゾーニングは変えていませんが、LDKは和室をなくして広さを確保。ハンモックやターザンロープを設置した楽しいスペースもつくれるほどのゆとりが生まれました。

重厚感のある木のキッチン腰壁は、夫妻が以前から集めてきたヴィンテージの家具に合わせて製作したものです。

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ダイニングの椅子はフィン・ユールやカイ・クリスチャンセンなど名作揃い。生地を張り替えて使っているそう。照明器具や本棚もヴィンテージです。

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リビングダイニングの床は、念願のヘリンボーンフローリングに。ブラックウォールナットが高級感を醸すと同時に、ヴィンテージ家具ともよく馴染んで見えます。

キッチン

キッチンはブルースタジオの定額制セレクトオーダー式サービス「TOKYO*STANDARD」を利用したオリジナルです。
決められたアイテムから設備や素材を選ぶシステムで、コストや手間が抑えられるます。「浮いたお金で当初から欲しかったミーレの食洗機を購入しました」と妻。

アイランドキッチンの背面には収納を設け、黄色の壁がチャーミングなパントリーもつくりました。

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足音などを気にしなくて済む1階にあるH邸。向かいが公園なので、キッチンやダイニングからも緑が楽しめます。

暮らしやすさを向上する回遊できる動線

子ども室

子ども室は淡いブルーのアクセントウォールとアーチが印象的。子ども室はキッチン側から入れるようになっていて、奥の寝室ともつながっています。

寝室入口

寝室の玄関側には「板チョコみたいなデザインが気に入って」(妻)というイギリス製アンティークの扉を採用しています。扉側にはWICがあり、ここからは玄関ホールを経由して洗面スペースへ向かえるため、身支度の動線もスムーズです。

玄関

玄関は下駄箱と棚をオープンにし、廊下も同じ床材にすることで広がりを演出。色鮮やかなヴィンテージのポスターが空間のアクセントに。

洗面

剣持勇デザインによる秋田木工のスツールが上質感を演出する洗面スペース。以前はコンパクトだった洗面スペースは、玄関からリビングダイニングへ向かう廊下側に出し、オープンなスタイルとしました。

つまり、キッチン→子ども室→寝室→玄関→洗面兼廊下→リビングダイニング、と回遊できるようになっているのです。「ぐるぐる回れて、動線的にも使いやすい」と夫。

水回り

洗面スペースのミラーは、美容室用の姿見を横にして使用したもの。洗面ボウルと水栓には、クラシカルかつエレガンなトコーラー社製を採用しています。
設備と内装を一新したトイレも、まるでアート空間のよう。

セレクトオーダーを賢く利用しながら、夫妻の個性あふれる住まいに仕上げたH邸でした。

設計 ブルースタジオ
撮影/水谷綾子
※情報は「リライフプラスvol.34」取材時のものです