賃貸から持ち家への住み替えを考えるタイミングやきっかけは人それぞれ。ライターの小林ユリさんは脱・賃貸へと動き出した一人です。実家を二世帯住宅にリフォームして移り住もうと考えたそうですが、予算の少なさがネックになったといいます。脱賃貸のきっかけや予算のこと、リフォーム会社探しで重視したポイントなどを小林さんに聞きました。

目次:

結婚して3年目、自分の家を持つ計画が浮上予算の少なさが苦戦の原因にマッチングサイトへの支払いは?候補のリフォーム会社は?会社選びで大事だと感じたポイント

結婚して3年目、自分の家を持つ計画が浮上

アパート
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花火 / PIXTA(ピクスタ) ※写真はイメージです

結婚して3年目、これまで悠長に構えていましたが、ついに脱・賃貸をするきっかけが降ってきました。

そのきっかけとは、筆者のメンタル面に一抹の不安を感じるようになったこと、そして、実家でひとり暮らしをする母が不安を口にする場面が多くなったことの2点にあります。

これらを受け、思い切って実家の一戸建てを二世帯住宅にリフォームして、筆者夫婦が移り住む方向で話は動いていきました。しかし、いざリフォームが現実的になってくると、ふつふつと心配事が湧き上がってきたのです。それは「資金の少なさ」でした。

予算の少なさが苦戦の原因に

計算機

freeangle / PIXTA(ピクスタ)

リフォーム工事費は1500~1800万円以内でおさめたい。これが筆者夫婦が考えた希望です。

新築戸建てを購入するとなると、筆者が住むエリアではだいたい4000~5000万円といったところ。新築マンションなら探せば3000万円台~といった感じ。
「それなら、リフォームなんだから1500~1800万円が妥当な線じゃない?」という図式です。

さっそくリフォーム会社探しに取りかかったのですが「これくらいの金額でおさめるのは厳しいかもしれない」と取り合ってもらえないこともありました。

ふたつ返事で見積もり作成すると言ってくれたリフォーム会社がもありましたが、家の間取り図などをすべて渡した後、すぐにお断りの連絡が。その後、筆者が声をかけていない不動産関係の会社が営業にくるという目にも遭いました。

こうした経験を経て、あまり安い予算で請け負ってもらおうとするのは危険だと実感。いくらか料金を払ってでも、相見積もりを取ってくれる第三者機関(リフォーム会社と施主を結ぶいわゆるマッチングサイト)を利用することにしました。

サイトを通じて複数の業者に間取り図や予算を提出してもらい、気に入ったところとお付き合いをスタートさせるスタイルです。

マッチングサイトへの支払いは?候補のリフォーム会社は?

設計図

freeangle / PIXTA(ピクスタ)

マッチングサイトを利用するにあたり、「建物のイメージがつかない」「プロに一から間取りを考えてもらいたい」といったケースではコンペ形式となり、15,000円程度支払う必要があると言われました。

筆者の場合、リフォームの希望がかなり細かく出ていたことから、コンペではなく相見積もりという形になりました。
あくまでも相見積もりということで、マッチングサイトに支払うお金は発生しませんでした。

相見積もりには、ありがたいことに3社が名乗りを上げてくれました。

構造計算

FreedomZ / PIXTA(ピクスタ)

希望したこと

リフォームするにあたり、希望として提出したのは以下の8つです。
1省スペースで構わないので本棚の多い仕事部屋を確保してほしい
2リビングを二世帯共有にしたいので、ミニキッチンなどがついたサブリビング兼趣味部屋として使える夫婦の部屋がほしい
3夫が筆者の母に気兼ねなく使える、夫婦の寝室からつながるシャワールームと洗面所が別途ほしい
4キャンプ用品やスノーボードを収納するスペースを確保したい
5母の部屋を広くしたい
6できれば二世帯共有リビングを広くしたい
7増築しても、駐車スペースは潰さずにキープしておきたい
81500万円程度の予算でプランを作成してもらいたい

これらの希望を伝えた上で、3社合同で一度自宅のほうに下見に来ていただきました。

家の間取りや広さ、日当たりなどを調べ、一旦社に持ち帰って間取り図と見積もり書を作成してもらう流れです。その間、わずか2週間程度。みなさん仕事が早いです。

見積書

候補のリフォーム会社3社

・A社(ハウスメーカー)
珪藻土壁と天然木床材を使用したナチュラルな部屋作りを提案。自然素材を使うため、温かみのある足触りになるとのこと。
実家は日当たりが悪く、冬になると床が凍っているのかと思うほど冷たいので、これには心が躍りました。筆者のようなアレルギー体質の人にもオススメとのことでした。
ハウスメーカーらしく、リフォームによって崩れる家の強度バランスの計算を事前に取り入れながら説明するなど、フォローが充実している印象を受けました。
ただこちらが口を挟む暇がなく、あまり質問をさせてもらえなかったのがいただけなかった点でしょうか。

・B社(リフォーム会社)
価格を最小限まで抑えた家づくりを提案してくれました。そして、筆者が事前に提出した部屋の割り振りを最も忠実に再現してくれたのがこちらでした。
ただ、プロ目線での新しい提案がひとつもなかったことを少し残念に思いました。

・C社(工務店)
内部に設計者がおらず、設計は設計事務所に外注。当然、自社で設計するよりもハイコストとなっており、見積もり金額の高さはダントツでした。
こちらも珪藻土壁を使用する案でしたが、床はコルクでした。吸音性に優れ、互いの生活音をさほど気にする必要がなくなるという理由からです。工務店ならではの優れた現場力に期待が膨らみました。

床材

Cherkas / PIXTA(ピクスタ)

会社選びで大事だと感じたポイント

打ち合わせ

naka / PIXTA(ピクスタ)

筆者は次の点を重視して会社を決めました。
・担当者とウマが合いそうか
・遠慮せずに質問ができそうか
・つくりたいイメージを汲んでもらえそうか
・融通をきかせてくれるか(たとえば筆者の場合は住みながらのリフォームを希望しているので)
・使用する材質や素材が魅力的かどうか
・無い袖は振れないので、予算に合うよう一緒に解決策を見つけてくれそうか

いくら少ない資金とはいっても、大きな金額であることに変わりはありません。すべて希望通りの間取りや内装にはならなくても、会社選定の時点から妥協する必要はないと思います。

リフォーム会社を選ぶ際には、自分たちなりに「ここだけは譲れない」という内容を踏まえて決めてると良いのではないでしょうか。