立川から世田谷を通って大田区まで続く”国分寺崖線”沿いのマンションを探していたIさんとKさん。当初からリノベーションありきで考えていたので、マンション購入とリノベをセットでお願いできる会社を探したところ出会ったのは、不動産サイト「ゼロアパ」を運営する青山物産でした。その後見つけたのは、世田谷・成城学園駅から徒歩15分の高台に建つ築30年のマンション。2~3階部分のメゾネットタイプの一室を4380万円で購入しました。天高のある空間を生かしたリノベーションを工事費1350万円(設計料込)で行い、お互いが気兼ねなく暮らせるメゾネットライフを楽しんでいます。

目次:

天井高を生かした開放的なリビングブリックタイルが個性的なキッチンサニタリースペースはタイルが印象的下階には玄関と寝室を配置

天井高を生かした開放的なリビング

天高を利用した大きな書棚
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専有面積100㎡以上のゆとりがあるうえ、2層からなるメゾネットタイプで天井高があり、まるで一軒家のようなI邸。
眺望のよさと部屋の広さ、立地やエリアが気に入って決めた物件で、ここしか内見をしていないのだそう。間取りは大きく変更せず、2階を寝室中心、3階をLDKやサニタリースペースがあるメインフロアにしました。

天井高のあるメゾネット

傾斜になったリビングの天井は床から4~6mもあり、解放感たっぷり。部屋のアクセントになっているのは、ニューヨークスタイルのインテリアを扱うネットショップ「ideot」で購入したという照明。陽が差し込む明るいリビングをやさしく照らしてくれます。

また、Iさんは漫画雑誌の編集者、パートナーは装丁デザイナーという職業柄、所有する本が多いのが悩みでした。大容量の本棚をリビングの壁面や寝室など各部屋に設けることで、収納問題を解決させました。

サンルームをインナーバルコニーに

リビングのフローリングは使い古した床の風合いが出るよう加工されたオーク材のヘリンボーン張りにしましたが、隣接するインナーバルコニーはタイル張りに。空間の役割をゆるやかに分けています。
インナーバルコニーはもともとサンルームだった場所で、壁を壊してリビングとつなげました。また、リビングの北側にはIさんがワークスペースとして使うコンパクトな個室があります。

「基本的に仕事は会社でしているので、この部屋は割り切って狭くしました。隠し部屋のような狭さがかえって集中できます」とのこと。

ブリックタイルが個性的なキッチン

カウンター付きクローズキッチン

当初は壁を壊してアイランド型キッチンにする案もありましたが、躯体の構造上、クローズなキッチンに。掃除のしやすさや引き出しの使いやすさなどを考慮してシステムキッチンを採用しました。

キッチンのブリックタイル

キッチンの壁にはブリックタイルを貼り、他の空間とはまた違った印象に。ドアの先にはKさんの個室があります。

キッチンのカウンターは圧迫感が出ないように、コンパクトに収めました。

サニタリースペースはタイルが印象的

透明なドアで解放感を演出

3階のサニタリースペースは、バスルームのドアを透明にしたことで空間がより広く感じられます。浴室はユニットバスですが、照明をマリンランプ、シャワーを「グローエ」のものにカスタマイズすることで雰囲気をがらりと変えました。

洗面台の壁にはKさんがどうしても使いたかった「FIRED EARTH」のタイルを貼りました。

イギリスから特別に輸入してもらったのだそう。

下階には玄関と寝室を配置

玄関は下階である2階部分。下駄箱はパナソニックの既製品を取り付け、扉だけ造作しました。壁際のベンチは余ったフローリング材でつくってもらったリメイク家具です。

フランスのアンティークランプ

3階の吹き抜け部分から玄関を見下ろしてみると、個性的なフォルムの照明の全貌が。
これらはフランスのアンティークランプで、京都の「ココン・フワット」で買ったものなのだそう。

上階へ続く階段

玄関正面には3階に続く階段があります。
メゾネットのデメリットとも考えられる階段スペースですが、このゆとりがあってこそ家全体に立体感が生み出されています。

天井にフローリング材を張った寝室

寝室はIさんの希望で天井にフローリング材を採用。ペイント加工を施した木材を使うことで表情のある部屋になりました。
ふと視線を窓の外に送ると、果樹園を望める気持ちのいい景色が広がっていました。

寝室の大容量のオープン棚

寝室入口には大容量のオープン棚を造作。仕事と趣味を兼ねて増え続けた膨大な冊数の漫画を収めています。

トイレは以前からあった場所に配置。便器は全自動掃除機能付きの「アラウーノ」を設置し、壁は落ち着いたトーンのグリーンに塗装しました。

オフホワイトを基調としたシンプルな内装に、古材風のフローリング材や趣味で集めたインダストリアル系のアンティークランプなどを合わせることで、ブルックリンのアパートメントのような雰囲気に仕上がったI邸。

「マンションなのに天井が高く解放感があるので、住み心地は申し分なし。同居しているパートナーとは就寝時間が異なるため、暮らす部屋と寝室が上下に分かれているメゾネットを選んで、結果的によかったと思っています」とIさんは話してくれました。

プロデュース ゼロアパ
設計・施工 エム・デザイン
撮影 中村風詩人
※情報は「リライフプラスvol.16」取材時のものです