みなさんは家の図面を見たことはありますか?家の図面には、みなれない専門用語や記号・マークが多く、はじめて見る人にとってはとても難しいものです。しかし、図面を読めないまま住宅を購入すると、思っていた家とは違うことに、入居してから気づくことになります。今回は、これだけは知っておきたい「間取りの記号やマーク」についてのお話しです。
扉(戸)のマークにも微妙な違いが!
すべての画像を見る(全9枚)この扇形マークは、門扉や玄関扉、勝手口の戸などを表しています。
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また扇形の部分が、「どう扉が開くか」を表しています。
この扉の開き方を「開き勝手」といい、扉の右側が開く場合を「右開き」その反対を「左開き」といいます。
この「開き勝手」ですが、図面では「左開き(または右開き)」になっているのに、実際の建物では反対に扉が取り付けられている場合があります。
こちらの例では、契約図面では「左開き」でしたが、引き渡しを受けた建物では「右開き」になっていました。
「右開き」では、以下のような不便があります。
- ポストの郵便を取るには、一度扉の外に出なくてはいけない
- 扉を開けるとき、お客様など人にぶつかる
- 家に入るとき、不便
- 宅配便を受け取るとき、相手の顔を確認しながら扉を開けることができない
もし、扉が間違って取り付けてあったら、建物のお引渡し前になおしてもらいましょう。
図面にある見慣れない専門用語を解説!
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図面には見慣れない専門用語が書いてあります。
- SIC……シューズインクロゼット。靴を履いたまま入ることができる靴の大型収納のこと
- S……サービスルーム。納戸または予備室のこと
- リネン庫……タオルや下着類をしまう場所。洗面室やその付近に設置される
- PS……パイプスペース。トイレ、キッチンからの排水管や給水管などが通っている場所
- MB……メーターボックス。電気メーター、ガスメーター、給水メーターが納まっている場所
- DEN……デン。「書斎」や「趣味の部屋」という意味
- CL……クローゼット。洋服などの収納場所
- パントリー……食品庫。食べ物などをストックしておく場所
こちらの例では、洗面室またはその付近に「リネン庫」がありません。
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タオルなどの収納に困る恐れがあるため、棚の設置や収納家具の設置を考える必要があります。
電化製品には欠かせないコンセント
家事ラク、時短のために、便利な電化製品は欠かせません。
その電化製品の命となるのが、コンセントです。
お部屋の必要な場所に、コンセントがあるか確認しましょう。
コンセントには大きく分けて「普通コンセント」と「アース付きコンセント」の2つがあります。
「アース付きコンセント」とは、漏電の恐れがある水まわりのコンセントのことで、接地(アース)による感電防止を必要とするものです。
冷蔵庫や電子レンジ、洗濯機やウォシュレット、食洗器などはこの「アース付きコンセント」に取りつけます。
こちらの例では、冷蔵庫のコンセントがキッチン入口付近にあります。
このことにより冷蔵庫はキッチン入口に設置することになりますが、以下のような不便さを感じます。
- キッチンの出入り口が狭く、冷蔵庫の開け閉めと、人の動線がぶつかる
- 冷蔵庫前が狭い
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冷蔵庫のコンセントは、設計段階で適正な位置に設置してもらいましょう。
いかがでしたか?家の図面を理解できれば、住宅購入で失敗することもなくなります。
なにより、自宅の図面を読めるようになることが、一番楽しいかもしれません。
(しかまのりこ)