以前は夫が結婚前に購入した東京都渋谷区内のマンションに住んでいた名塚さん一家。長男が生まれ「もう少し環境のよいエリアで暮らしたい」とリノベーション前提で、渋谷区内の中古マンションを探しました。探し当てたのは専有面積75平米、築年数56 年(昭和36 年築)のヴィンテージマンションです。名塚さんの希望はキッチンのサブウェイタイルや室内窓などを含めたフルリノベでした。譲れないところには予算をかけながらも、コスト削減の努力も行った夫妻。予算の800万円(税・設計料込み)を越えることなくフルリノベを実現させました。

目次:

室内窓の枠はスチールから木製に変えてコストダウン!サブウェイタイルは予定よりもたっぷりと使用!棚はリーズナブルなオープンスタイルに!

室内窓の枠はスチールから木製に変えてコストダウン!

室内窓
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リノベーションは、リノベのイメージづくりのために見ていたリノベーション専門誌『リライフプラス』で、「いいな」と思ったページのほとんどを手掛けていたエム・デザインに依頼しました。

バルコニーとリビング

マンションは渋谷区の中でも資産価値の高いエリアにあります。「環境も眺めもいいし、価格も予算より安かったので、即決でした」(妻)。

バルコニー素材はIKEAで購入し、夫がDIYで施工しました。

リノベ前のLD

リノベ前のLD

「リビングの床は絶対にムク材がいい」と幅が広めのオークをチョイス。予算に見合うリーズナブルな価格のものを選びました。

リビング

壁や躯体表しで高さを確保した天井は白とし、黒いフレームの室内窓や黒のライティングレールで空間を引き締めています。室内窓の枠は高くつくスチールではなく木製にすることでコストダウンしました。でも、しっかりと狙った雰囲気に仕上がっています。

スタディスペース

念願の室内窓はリビングと子ども室の間に設置しています。ガラス面を大きくし、リビングと子ども室を広く見せる効果も狙いました。室内窓のリビング側には本棚、そして子ども室側には同じ素材でデスクを造り付けています。

サブウェイタイルは予定よりもたっぷりと使用!

リノベ前のキッチン

リノベ前のキッチン

既存のキッチンは3方を壁で囲まれた閉鎖的なつくりでした。

ダイニング
ダイニング

個室を取り払った部分にキッチンを移動した上で対面式にし、オープンなつくりに。

キッチン

システムキッチンはリーズナブルなタイプを選び、本体を隠す造作壁をつくりました。腰壁をワークトップよりも高く立ち上げ、カウンターを設置することでグレードアップさせました。

キッチン

キッチンはモノトーンでまとめました。壁は「どうしても取り入れたかった」という白のサブウェイタイル、床はグレーのタイル、ダクトは白く塗装しました。レンジフードはこの雰囲気に合わせて選んだものです。
サブウェイタイルは最初の計画よりも貼る面積を拡大しました。天井と壁の境まで貼ったことによって目線が上に伸び、広がりが生まれました。

サブウェイタイル

キッチン背面に取り付けたオープン棚の見せる収納がアクセントになっています。

棚はリーズナブルなオープンスタイルに!

玄関

広い土間も希望していた名塚さん。既存の納戸を玄関土間に組み入れ、土間スペースを広げました。集成材の棚板におしゃれなボックスやカゴを組み合わせ、オープン棚をセンスよく使っています。天井に取り付けたアイアンバーは夫の筋トレ用ですが、コート掛けや物干しにも重宝しているそうです。

クローゼット
クローゼット

玄関のすぐ横にある収納は、主に長男用の「子ども用納戸」です。奥の有孔ボードを張った壁には帽子などを飾りながらディスプレイしています。

玄関ホール

手前は寝室、真ん中はトイレ、奥はサニタリーのドアです。少しずつデザインが違うドアを採用しています。

サニタリー
トイレ

サニタリーの位置は移動せず、ドアやバスタブの配置などを調整して使い勝手をよくしました。洗面台は造作し、キッチンと同じモルタルで仕上げています。トイレはモノトーンでまとめています。壁には吊り戸棚を造り付けるよりコストダウンできて使いやすいオープンな棚を取り付けました。
こうして、どうしても叶えたかったことはきちんと実現させながら、コストパフォーマンスのいいリノベを行った名塚さんでした。

設計・施工/エム・デザイン
撮影/中村風詩人
※情報は「リライフプラスvol.27」取材時のものです