サプリメントや化粧品でおなじみのプラセンタ。健康維持や美肌成分であると耳にしたことはあっても、「肩こりプラセンタ」注射は知らない方も多いのではないでしょうか?

古くから“奇跡の臓器”ともいわれてきたプラセンタを使用した、肩こりプラセンタ注射について、ライターの施術体験談とともに、効能効果や注意点などを赤坂プレミアクリニック院長、石井博泰先生に詳しく教えてもらいました。

パソコンの前で肩おさえる女性
ひどい肩こりに効く「肩こりプラセンタ注射って?」(※画像はイメージです)
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肩こりプラセンタ注射ってなに?その方法と効果

ビタミンやコラーゲンと並ぶ人気美容成分、プラセンタ。
プラセンタにも種類があり、サプリメントや化粧品に使われる豚や羊の胎盤から抽出された成分のプラセンタと、美容クリニックや婦人科で更年期治療などに使用されるヒト胎盤による医療医薬品のプラセンタがあります。

今回ご紹介する「肩こりプラセンタ注射」は、医療医薬品のプラセンタ製剤を肩こりのシコリ部位に直接注入する施術。つらい肩こりの改善だけでなく、お肌にうれしい“おまけ美容効果”が現れることも少なくないと言われています。

●美肌だけでなく肩こり改善にも?プラセンタの効果効能

プラセンタ製剤アンプル
写真提供/赤坂プレミアクリニック
――プラセンタにはさまざまな栄養成分が凝縮されているといわれています。美肌に導くビタミンを始めとし、アミノ酸・ミネラル等がたっぷり含まれ栄養素の塊であることは理解できますが、なぜ肩こりにも効果があるのでしょうか?

「肩こりは運動不足やストレスなど、筋肉の緊張が続き血行不良を引き起こすことが原因です。プラセンタ製剤には血流を促す成分が含まれているため、筋肉の硬くなってしまった肩こり部位に直接注入することで肩こり改善に効果があります」(石井先生)

――プラセンタ注射は二の腕などへの皮下注射が一般的ですが、肩こりにダイレクトに届けるとは、確かに効率的な治療ですね。

●肩こりプラセンタ注射施術の流れと痛みなど

肩にプラセンタ注射
写真提供/赤坂プレミアクリニック

美容医療ライターの筆者も職業柄、重度の肩こり症…。毎晩のようにマッサージ家電を「強」で肩に押し当てるも一向に改善せず、むしろシコリ部位が硬く悪化してしまいました。そこで日本整形外科学会専門医でもある石井先生に相談したところ、肩こりプラセンタ注射を知ったのです。初めて肩こりプラセンタ注射を受けたとき、私の場合は1週間ほど肩こりが気にならず、注射の回数を重ねるほど肩が軽い期間が伸びていきました。

肩こりプラセンタ注射は、施術が約5分と短時間で終わることもうれしいポイント。一般的な施術の流れはドクターが肩のシコリ部位を触診し、アルコール消毒後にプラセンタ製剤を注射します。針が刺さる瞬間のみチクッとして、プラセンタ製剤が注入されるときは軽い鈍痛を数秒感じる程度です。

――これまで痛さのあまり、肩こりプラセンタ注射を中断した患者さんなどはいましたか?

「注射が苦手な患者さんでも痛みに耐えきれず中断した、という方はこれまで1人もいませんよ。皆さん、“インフルエンザ予防接種より痛くなかった”との声が大半です。肩こりプラセンタ注射は麻酔も不要です。また注射後はいつもどおりの生活で問題ありませんが、当日に長時間の入浴やサウナなどは、内出血を引き起こす可能性があるので控えた方がよいでしょう」

●肩こり用のプラセンタ注射なのに美肌効果も?

手のアップ
撮影/城戸 香
――私自身は肩こりプラセンタ注射を続けて6年ほどになりますが、肩こり改善効果はもちろん、若い頃コンプレックスだった頬の毛穴の開きが気にならなくなったり、手肌にうるおいを感じたりもしているのですが、肩こりプラセンタ注射と関係はあるのでしょうか?

「肩こりプラセンタ注射は肩の筋肉に打ちますが、有効成分は血流とともに全身に行き渡ります。そのため、プラセンタ効果とされる、肌のハリ・肝機能・手足の冷えなどを改善に導くのです。また更年期障害の改善にも使用されますが、プラセンタ製剤はホルモン製剤と異なるためご安心くださいね」

●肩こりプラセンタ注射の最適な頻度と注意事項

ほほに手を当てる
(※画像はイメージです)
――私の場合は重度の肩こりのため、毎週に肩こりプラセンタ注射を行っていますが、まれに時間がとれず、注射期間をあけてしまうこともあります。このように不定期の肩こりプラセンタ注射でも効果は持続するのでしょうか? また最適な注射期間などを教えてください。

「ずっと続けていた肩こりプラセンタ注射の効果が、翌日に突然なくなることはありません。ゆっくりと効果が落ちていくイメージですね。もちろん美肌改善などは定期的な注射により効果が持続しますが、ひどい肩こりでマッサージでも解消できなかった場合に、ピンポイント治療として受けていただいても問題ありませんよ」

――そのほか注意すべき点はありますか?

「比較的に安全性の高いとされる肩こりプラセンタ注射ですが、生物製剤に分類されるため献血ができなくなります。また患者さまのなかで“万が一のときに輸血が受けられない”と誤解されている方もいらっしゃいますが、まったく問題ありません。そしてプラセンタ製剤を不老薬のように考えてしまう方も少なくありませんが、その効能効果は身体を健康な状態へ導く薬、とお考えくださいね」

肩こり改善とともに美肌へと導く肩こりプラセンタ注射。自由診療となり、都内平均価格は1回5000円前後といわれています。ただしクリニックによっては肩への注射を行っていない場合もあるため、ホームページなどで事前に調べてみましょう。

※赤坂プレミアクリニックでの肩プラセンタ注射は再診の方のみ予約可能