購入しかけていた新築マンションの素材感やデザインにどうしても納得がいかず、購入を見送ったというインテリア好きのKさん夫妻。このお部屋は……、なんと思う存分ものづくりに没頭できる「DIY専用ルーム」です。ちなみにここ、マンションです。念のため。

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さいたま市内にあるKさん宅は、専有面積が90平米、築年数は26年。真逆の方向に通う夫と妻の通勤の中間地点であるエリアに絞り、最優先項目を「駅から近いこと」に決めて物件を探すと、初日にここが見つかり即決しました。6階の南西角部屋で日当たりと風通しがよく、広さが十分で、価格も手頃だったからだそう。

間取りは大きく変更しませんでしたが、リビングの隣にあった和室の間仕切りを取り払って「DIYルーム」に変更しました。南向きのLDKは日当たりがよく、遠くに公園の緑が見えて気持ちがいいそうです。そこにつながるDIYルームでは、思う存分作業ができます。
「幸いにもホームセンターがマンションのすぐそばにあるので、何度も往復しては材料を調達しています」と夫妻。
DIYルームの窓辺にはキャンプ用の椅子とテーブルを置いて、休日にここでお茶を楽しむこともあるといいます。床には足場板風の杉板を敷いてガレージの雰囲気を出したほか、DIYルームの壁にはOSBボードを張り、DIYで棚も取り付けました。

目次:

リノベの予算は500万円。DIYも取り入れることで、なんとか予算内にキッチンはブロックと木のカウンターでシンプル&機能的にサニタリーのタイルもDIYで。「完成しない家」がこの家のテーマ!?

リノベの予算は500万円。DIYも取り入れることで、なんとか予算内に

「リノベの予算を500万円と決めて相談したところ、ある会社では“できない”と言われましたが、“施主施工も入れていけば、なんとかなると思います”と言ってくれたのがフィールドガレージでした」。夫妻は元々ものづくりが好きなので、できるだけDIYをする方針で進めることに。
業者に任せたのは、古い内装の部分解体と設備工事のほか、フローリング張りや一部の壁の板張り、キッチンのブロック積みなど。

壁や床に無垢材の風合いを生かしたリビングもゆったりとした広さ。床は無垢のチェスナット材。「粗ノコ目」という仕上げ方で、ざっくりとした風合いが心地よいそう。
積み上げたブロックに余った床材を載せてテレビ台もをつくりました。
Kさん夫妻は、引き渡し後1か月かけて、親族総出で壁・天井のペイントもこなしたというから驚きです!

キッチンはブロックと木のカウンターでシンプル&機能的に

キッチンはブロックと木のカウンターで構成したシンプルで機能的なつくり。足元がオープンなので、たくさんの分別ダストボックスもすっきりと収まります。床は水濡れを考慮してモルタル仕上げにしました。

ダイニング奥のコーナーは上を換気扇のダクトが通り、両脇を柱に挟まれているこぢんまりとした空間を生かして、手づくりのボックスの上にクッションを置いてベンチにしています。

サニタリーのタイルもDIYで。「完成しない家」がこの家のテーマ!?

洗面台のタイルは、フィールドガレージのスタッフに教えてもらいながらがんばって貼ったそうです。「目地材が硬くなってしまい、埋めるのが大変でした」とのことですが、苦労を感じさせない見事な仕上がりです。

トイレの手洗いコーナーにもDIYでボーダータイルを貼って、レトロな雰囲気の水栓をつけました。

寝室の床は、カーペットをはがしてコンクリート現しとし、上から自分たちでモルタル風の塗装コーティング材を塗ってツヤを出しました。接着剤の跡までが味のある風合いになっています。
実は、インテリアショップ勤務の妻は設計のスキルも持っているのですが、フィールドガレージに依頼してよかった、と感じているそう。
「やはり、リノベーションには設備のことなど特有の難しさがあるので、その道の専門家に頼むのがいちばんうまくいくと思います。

自分では思いつかないようなアイデアももらえましたし。楽しみながら少しずつ手を加えていけたら」。ずっと変化を続けていく「完成しない家」がこの家のテーマだそう。

設計・施工/フィールドガレージ
撮影/飯貝拓司
※情報は「リライフプラスvol.19」取材当時のものです