コロナ禍でおうち時間が増え、家がもので溢れてしまった! というお悩みが増えているようです。

『お片付けノート』を考案した、整理収納アドバイザーのmocaさんは、元・捨てられない部屋の住人でしたが、片づけのノウハウを習得した結果、コロナ禍でも片づく家をキープし続けているそう。

すっきりとしたmocaさん宅のリビング
すっきりとしたmocaさん宅のリビング
すべての画像を見る(全5枚)

ステイホーム期間でも片づけられる人の特徴

mocaさんに片づけられない人がやりがちな失敗と、すっきり片づけるためのコツを伺いました。

●捨てる理由を、自分で決めること

今や片づけのプロであるmocaさんですが、元々片づけられない人だったというから驚きです。

「断捨離やミニマリストなど、シンプルな暮らしはずっと注目され続けていますよね。片づけられなかった昔の私も、だれかのまねをして、ときどきたくさん捨てて、片づけた気になっていました」

そのときはキレイになっても、それは片づけが身についているわけではないと言います。

「片づけられない原因は、捨てどきや買い換えどきの答えを、自分で探そうとしていないからです。捨てる理由を探しながら片づけをしていくと、『これは古びているから捨てよう』と自分自身の捨てどきがわかってきます。だれかが決めた捨てどきでは、片づけられるようにはなりません」

●不要な理由を書くだけ。1日5分でできる『お片付けノート』とは

お片付けノート

片づけを習得したmocaさんが実践したことはたったひとつ。

「子育ての合間に、その日に捨てたものと捨てた理由をメモ帳に書き出しました。これが『お片付けノート』のはじまりです」

ものを捨てる理由を一言で書き出す、とても簡単なことでした。

「最初はだれも飲まないお酒やワインのコルク、そんなものだったと思います。ものを捨てる理由を探し始めたら、家の中の“いらないもの”がどんどん目につくようになりました」

そして2015年には、お片づけノートのメソッドを一冊にまとめた著書『

1日5分! お片付けノート』(扶桑社刊)も出版。今年は第2弾となる『お片付けノートで見えてくる! 大事なのは「捨てる理由」でした

』(主婦の友社刊)も発売に。

「ずっと片づけられなかった私が、お片づけノートのおかげで劇的に変わりました。あれから6年たった今でもずっと家は片づいています」

●片づけが身につけば、コロナ禍でもキレイをキープ

窓の近くに植物

mocaさんはフルタイムで勤務していましたが、去年のコロナ禍で在宅ワークに切り替わりました。

「多くの人がそうだったように、私も家のものを買いました。夫の仕事部屋になった部屋にカーテンをつけたり、植物を増やしたりとか。あとは、子どもたちが外に遊び行けなかったので、リングフィットアドベンチャーやトランポリンを買ったりもしましたね」

トランポリン

家にいる時間が長い分、ものが増えて困りそうですが、mocaさんの場合はむしろ片づいたそう。

「常に減らすことを考えているので、大丈夫です。むしろ時間に余裕ができた分、ずっと捨てたかったものを一気に処分できました」

日頃から片づけすることが習慣になっているmocaさんは、新しく買い物をしても、その分きちんと減らせているようでした。

「時間があったので、解体するのがめんどくさいなと放置していた、大きいスチール棚を処分しました。普段着る服がガラリと変わってしまったので、ジャケットなども大量に処分。自炊も増えたので食器を見直したら、子どもが成長したので、小さな頃に使っていたプラスチックのお皿が不要になっていたことにも気づきました」

●家族の片づけと上手につき合う

キッチン

自分が片づけられるようになると、家族の片づけも気になるもの。

mocaさんも片づけられるようになって、夫、子ども、親と、家族の片づけと向き合いました。

「家族でも、その人のものを勝手に捨てることは絶対やってはいけないこと。たとえば破れた箇所のある服があるとします。もし『これどうする?』と聞けば『破れているから捨てる』と答えてくれるかもしれませんが、『破れてるから捨てるよ』と一方的に言われると、抵抗したくなるもの。自分も同じですよね。だから、まずは自分で進んで片づける姿を見せることが大切です」

なかでもハードルが高かったのは、親の片づけだそう。

「ものをためこみがちな親世代に対して、つい感情的になりがちですが、もし世帯が分かれているなら、他人の家と同じです」と、mocaさんは語ります。

頭を悩ませる人も多い「実家や親の片づけ」がトラブルになりやすいのは、こういった側面もあります。

片づけへ前向きな姿勢が現れてきたタイミングで、『お片付けノート』のエッセンスを伝えてみると、スムーズにサポートできそうです。

その人のものを処分できるのは本人だけ。片づけを強制するのではなく、まずは自分から進んで片づけをするところから、始めてみましょう!

【mocaさん】

整理収納アドバイザー。夫、長男、長女の4人家族。ハウスメーカー勤務の夫と間取り、動線、収納を考え抜き「誰でも片づけやすい家」を竣工。著書に『

お片付けノートで見えてくる! 大事なのは「捨てる理由」でした』(主婦の友社刊)『1日5分! お片付けノート』(扶桑社刊)がある