年末は1年の中でもお金の出入りが激しい季節。
今年は新型コロナの影響があるものの、ボーナスが入ったり年末調整の還付金が戻ってくるなど、金銭的なゆとりが出てきます。とはいえ、必要以上に使ってしまってはこれまで頑張って節約してきた苦労も水の泡に…。
そこで、つい散財しがちな年末に損しないための消費のコツを、節約アドバイザーの丸山晴美さんに教えてもらいました。
その買い方は損している!年末の散財を防ぐ消費のコツ
多少の増減は人によりけりかと思いますが、ボーナスが入り、年末調整の還付金がちょっとしたお小遣いになるなど、年末は懐が温まりやすい時期です。しかし、そこで必要以上にお金が出ていってしまっては、もったいない! じつは多くの方が年末の買い物で損をしてしまいがちなんです。
そこで、年末の消費に注意をすべきことをお伝えしたいと思います。
●クリスマスプレゼントは早めに準備をする
これから家族のためにクリスマスプレゼントの準備を始める方も多いかと思います。でも、ギリギリに買うと商品によっては高値つかみになってしまうことも。
その理由は、人気の商品はクリスマス近くになると店頭から消えてしまい、入荷までに時間がかかることがあるからです。しかし、クリスマスという特別な日になんとしてもプレゼントを手に入れて、家族が喜ぶ顔が見たいと思う心が強くなり、フリマアプリやオークションといった個人などから高値で無理をして買ってしまうことになりがち。
今年の自粛生活の中で、ゲーム機などが定価よりもかなり高い金額で売られているケースが多くみられました。現在は比較的買いやすい状況ですので、子どもと約束をしているのであれば、早めにお店で入手しておくと、余計な出費を減らすことができます。
●季節の限定品にはご注意!
1年頑張った自分へのご褒美をあげたくなりますね。そして年末にかけて限定品があちこちで発売され、消費欲が刺激されます。
コスメなどの各ブランドはクリスマス限定商品を販売しており、メイク用品のケースがクリスマス仕様であったり、限定の色やかわいいポーチがついてくるなど、愛用者としてはぜひ手に入れたいと思うものでしょう。しかし、これも本当に必要かどうかを今一度考えてみましょう。
コスメに限らず他の商品も同様ですが、「限定品」に踊らされてはいないか、どうしても限定品である必要があるのか。もしかすると、自分へのご褒美と言いながら、衝動買いをしようとしているだけかもしれません。
年末はとくに購買欲がかき立てられがちですので、ここでしっかりとご褒美はなにがふさわしいのかをしっかりと考えて、ご自身へ後悔をしないプレゼントをしてあげましょう。
●家電の歳末セールちょっと待って!あと2か月待てばさらに安く買える
家電量販店へ出向くと、最新家電が強気な価格で売られています。年々家電も高くなってきているなぁと、改めて家電積み立ての大切さを感じます。
そして年末になると、歳末セールがスタートします。チラシが購買意欲を煽ってきますが、ここで飛びついてはいけません。
こちらは、ある家電の発売から現在までの価格推移グラフです。このグラフを見ると、突き抜けて安い価格になっているものは無視をして考えると、1年の中で2回の買いどきがあることがわかります。
1回目は2~3月、2回目は7~8月
です。
1回目は、家電量販店の決算と寒さで消費が落ち込んだため、価格が下がったと考えることができます。
2回目は、こちらも決算がからんでいることと、10月に新商品が出ることを踏まえて在庫を放出したため、価格が下がったと考えることができます。
つまり、歳末セールで買うよりも2か月待てばお得に買えるということがわかります。たった2か月待っただけでも、数万円の差ですので侮れません。
●新しい洋服は年明けに買うのがお得に
衣類などのアパレルは、年末に買うよりも年明けに買った方がお得です。断然、割引率が違うからです。年末は20~30%オフだったものが、年明け早々40%オフになり、2月になると50~70%オフになることもあります。
これは季節性もあり、冬物が店頭に並んでいられるのも2月までで、3月になると春物衣料が並ぶためと、アパレルの決算もからんできているため、2月のセールはお得と言えるでしょう。
この安いときに来シーズンを見越して、子ども服の大きめサイズを買っておく人も多いでしょう。
とはいえ、この割引率が高くなっている頃には気に入ったデザインやサイズが在庫切れになっていることがほとんど。ここでの注意事項は割引率だけに気を取られ、妥協して不要なものを買ってしまうこと。
まずは、今ある洋服で事たりるならそれが一番ですし、割引率だけにとらわれず本当に欲しいものを納得して買うのなら、それは決して無駄な消費ではありません。
●ネット販売中心になっている福袋。狙い目のものは早めのチェックを
デパートのネットショップなどではすでに福袋が販売されていますね。人気の商品はあっという間に完売する盛況ぶりです。中身が見える福袋ならお得かどうかも分かりやすいですし、ハズレがないのがいいところです。1年分のワインや紅茶を福袋で買う人もいるほどです。
コロナ禍では、新春の風物詩とも言える福袋を求める行列は少なくなり、代わってネットでの福袋が増えています。欲しい福袋が発売されているお店の情報はこまめにチェックしておきましょう。すでに予約が始まっているところもありますので、発売開始日時のチェックも忘れずに。そうしないと、クリスマスプレゼント同様に定価以上の転売価格で買うハメになってしまいます。
個人的には、福袋そのものは必ずしもお得とは言えません。とくに中身が見えない福袋は、見極めもできないからです。服などは好みやサイズが合わないこともほとんど。
売り手としては福袋専用に商品をつくったり選んだりしているので、価値があるものとは言いきれないものも多々あると思います。
●外食費節約をした分、上手におうち時間を楽しもう
年末は忘年会シーズンで飲み会が増えたり、クリスマスで外食が多くなりがちです。しかし、新型コロナウイルスのここのところの感染者数の増え方を見ると、飲食イベントも縮小され、飲み会などの外食費も減る傾向にあるでしょう。
その代わりにオンライン飲み会を増やす人もいるでしょう。
オンライン飲み会のメリットは、自宅なら帰宅時間を気にすることなく飲むことができ、お酒やおつまみも市販のものや冷蔵庫に入っているものなどで済ませることができ、出費も限定的です。
その一方で、深夜までダラダラと飲み続けてしまい、結果飲み過ぎてしまったり、おつまみを披露するために、見映えのするお惣菜を複数購入して結果的には出費が増えてしまうことも。お手頃価格の食材を使って自分でサッとつくれるおつまみのレパートリーをいくつか持っておくとさらに節約になってうれしいことづくめ。
そして、浮いたお金でたまには高級肉を買ってステーキやすき焼きなどテンションが上がる料理をつくってみたり、人気店のテイクアウトやデリバリーを予約して、飲食店を応援しながら楽しむことができます。メリハリをつけたおうち時間を楽しんでみてくださいね。
●年末年始の買い物は市場の動きをチェックして臨機応変に
クリスマスが終わると、一晩で食品売り場のレイアウトがお正月モードに切り替わります。そして並ぶ商品が限定的され、売り場の商品が高級ラインに切り替わります。
すき焼き肉やステーキ肉、タラバガニ、数の子、大ぶりのエビ、タコなど、そしてかまぼこは1本500~1000円のものになります。そして、野菜もこの頃から徐々に値段が上がってきます。
こちらは東京都中央卸売市場の令和2年12月と令和3年1月の青果部のカレンダーです(赤が休業日)。カレンダーを見ると、12月30日までギリギリやっていますが、年明け1月は11日まで市場はほぼ休場しています。つまり年明けしばらくは野菜が高い状態が続くと考えることができます。
冬は雪などで野菜が高騰する要因もはらんでいますので、日持ちのする野菜は年内のうちに買っておくのも手です。そして、野菜やキノコなどあらかじめ冷凍できるものは冷凍しておき、状況に応じて冷凍野菜も上手に取り入れるようにすると食費節約になります。
年末の消費は買い方、考え方次第です。
メリハリをつけて、年明け以降も家計にゆとりが出るように上手にコントロールしましょう。