ペットの柴犬の写真をツイッターに投稿し続け、その自然体のかわいさが人気となっている
@inubot。ESSEonlineでは、飼い主で写真家の北田瑞絵さんが、「犬」と家族の日々をつづっていきます。
第22回は、家にいる時間が長いからこそ知りたい、ペットの上手な撮影方法を教えてもらいます。
犬を楽しく撮影するコツ。食事を摂るように毎日犬を撮っています
家で過ごす時間が増えて以前より愛犬、愛猫、パートナー、家族といった共住者との時間が増えた人も多いみたいですね。そうでなくひとりで暮らしている方にもオススメしたいのが日記感覚で生活風景を写真に撮っておくことです。
撮るのは食べたあとの食卓でも窓越しの景色でもなんでもいいです。私は食事を摂るように毎日犬を撮っています。
どんなふうに撮っているのか、私なりの犬を楽しく撮るコツをお話します。
●カメラ目線
SNSに犬の写真をアップロードしていると、「どうしてそんなにカメラ目線をしてくれるのですか?」とコメントをもらうことがあります。
犬はうちにやってきた夜から私に写真を撮られる日常がはじまり、カメラに異物感がなく馴れているのも大きいですが、犬と目が合っているのはカメラではなくてカメラの奥にいる私なのです。
私のいちばんの話し相手は犬です。常日頃から天気の話題から人間関係のもつれまで聞いてもらっていて、帰宅したら「ただいま。今日なにしとったん?」と尋ねるのが日課。私が話しかけているときによく目を見てきて、ただその間にカメラが介在しているだけなのです。
話すように撮っていて、撮るように話している。たまに「よっ!」なんて盛り上げてみたりもする。
子ども向けフォトスタジオのやり方も参考にしています。カメラの上でオモチャや手を大きく振ってみると、気を引かれて目線が上がるときもあります。
●いろんな角度、いろんな場面で撮ってみる
人の目線でカメラをかまえていたら、犬が見上げる写真か、頭のてっぺんと耳の写真になります。たまには犬と同じ目線にしたり、もっと低い位置から犬を見上げて撮ってみたりる。新鮮な角度からのおもしろさもあると思います。
パーツにぐっと寄ってみたり逆に引いたり…、豊富なバリエーションの写真を残しておくのはどうでしょうか。
●番外編 くわえる犬
●イベントを大事にしよう
犬がいたら、今まで見過ごしていたような日常の小さなイベントも、尊く思えるものです。
3月は母の誕生日と父の定年退職が重なって花束をもらう機会に恵まれ、家の中が色とりどりの花であふれていました。活けた花ビンを庭に出したら、まるで小さな花畑に犬といるみたいだった。
なぜか伯母さんがふくろうの石をくれた夜。母のたのしそうな声が聞こえるなぁと見てみたら、一人暮らしをしている妹に写真を送ろうとふくろうと犬とのスリーショットを撮っていた。
母はよく犬の写真をグループラインに送ってくれるが、仕事中に届くとものすごく癒やされます。inubotも見てくれる人にとってそんな存在になったらいいなぁ。
●苦にならなければ毎日撮ろう
私がひそかにセレクトしている犬の歌プレイリストがあるのですが、竹内まりやさんの「毎日がスペシャル」も、私にとっては犬の歌です。
写真の集積は日記のようなもので、記録ですから、どうか日々撮りまくっていてください。そしたら相手もカメラに対して態度を軟化させるかもしれんし、こちらも写真を撮る行為に慣れる。私は対犬がいる暮らしだけれど、よければあなたの暮らしのなかで適用してもらえたら幸いです。
この連載が本
『inubot回覧板』(扶桑社刊)になりました。第1回~12回までの連載に加え、書籍オリジナルのコラムや写真も多数掲載。ぜひご覧ください。
【写真・文/北田瑞絵】
1991年和歌山生まれ。バンタンデザイン研究所大阪校フォトグラファー専攻卒業。「一枚皮だからな、我々は。」で、塩竈フォトフェスティバル大賞を受賞。愛犬の写真を投稿するアカウント
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