急な葬儀。予算を決め、できるだけ複数人で話し合うのが葬儀代を抑えるコツ

葬儀がきっかけで遺族がどなり合いのけんかに(※写真はイメージです)
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千鶴さんのケースは、以下のような問題点がありました。

【問題点】 (1)予算を明確に設定していなかった (2)弟がほかの家族に、葬儀をアップグレードしたい旨を相談しなかった (3)弟一人で打ち合わせに臨ませてしまった

一般的に、なにかを購入するようなときは予算を決めてサービスを受けることがほとんどなので「予算を決めずになにかを依頼するなんてありえない」と感じる方もいるかもしれませんが、じつは、葬儀となると予算をあまり考えずに進める方は一定数いらっしゃいます。
大切な方がこの世を去ったことで気持ちが動揺した、いわば“非日常”のなかで素早く決定しなければならないからです。

こうしたことから起こるトラブルを防ぐためには、いったいどのようにすればよかったでしょうか。

【ポイント】

(1)金額や規模、雰囲気の希望があれば伝えよう

費用に明確な希望がない場合でも、葬儀社には「なるべく価格を抑えたい」「親族だけでこじんまりと行いたい」など、譲れない一線はハッキリ伝えましょう。葬儀社も希望に適した提案をしやすくなるため、話し合いがスムーズに進みます。

(2)予期せぬアップグレード提案は持ち帰ろう

よりよい葬儀を提供したいと考える葬儀社は、「よりよい棺」「よりよいお花」などアップグレードを提案することが多々あります。
一方で、それらの提案を受け入れると基本プランより価格が上がることもしばしば。予期せぬ提案を受けた場合は持ち帰り、可能な範囲で時間をかけて考えることをおすすめします。

(3)葬儀社の打ち合わせはできるだけ複数人で臨もう

葬儀は、大切な方を失っているため平常心を保つのが難しい状況です。たとえ日常生活では交渉事や財務管理に強い人でも、葬儀のときだけは状況が異なる場合も。意見の相違を防ぐためにも、葬儀社との打ち合わせは複数人で臨むとよいでしょう。

(4)プラン内容が明瞭なパッケージ型葬儀を選ぶのも一手

葬儀の喪主を務める機会は一生に平均2回とも言われており、そのときになって初めてプランや価格を調べ始めるケースがほとんど。葬儀について詳しくない方でも納得感を持って選べることから、プラン内容と費用が明示されているパッケージ型の葬儀に注目が集まりつつあります。
最近はインターネット経由で手配できる葬儀サービスも増えています。カスタマーサポートを備えている場合がほとんどなので、相談してみるのも一手です。

葬儀はただでさえ予期せぬこと。想定外の出費を防いで円満にお別れをするためには、家族で一致団結した決断も必要です。
親族で集まる機会も多い年末年始、葬儀について少しでも会話をしておくことで、万が一の事態にも少し余裕をもって臨めるようになるかもしれません。