消費増税から1か月弱。節約に関して意識的に頑張っている方も多いかもしれません。オンライン家計簿サービス「Zaim」の家計プランナーでもある綿島琴美さんによると、「増税前後の家計負担の調査では、食費・日用品の出費が全体的に低下傾向にある」そうです。
その実態とともに、増税後におトクに買い物ができる方法を聞きました。
キャッシュレスを利用する人のほうが節約傾向にあり!今後のキャンペーンとの向き合い方
増税がスタートし、早くも1か月近くが経過しました。Zaimが増税前後の家計負担を調査したところ、実際に食費・日用品の出費が全体的に低下傾向にあることがわかりました。やはり皆さん増税を意識して支出を押さえていることがうかがえます。
なかでも興味深いのが、スマホでのキャッシュレスサービスの支出。よく利用される方はさらに支出が抑えられていることが明らかになっています。キャッシュレスをよく利用される方の食費はなんと前月比30%減、そうでない方よりも10%節約している結果となりました。そのほかの日用品でも同じように現金派よりも支出をしっかりカットしていることがわかります。
クレジットカードと違って、残高を意識して使えるのがサービス特徴のひとつであるキャッシュレスサービス。節約しようという「気持ちや心がけ」ではなく、スマホで支払うという「仕組み」そのものが支出にインパクトを与えているのかもしれません。
私もコンビニの支払いの際には、まずは残高を確認してチャージすることがたびたび。「入金する」というひと手間が、少し支出を抑える気持ちにつながっているのではないかと思います。オートチャージなど便利な機能を使わない仕組みも大事でしょう。
●各社が展開するコード決済、どこまで乗ったらおトクになるの?
また、各社のキャンペーンも多数開催されている昨今。どれに乗ってもいいのか気になる人も多いことでしょう。
たとえば、「楽天ペイの5%還元!」「最大10%還元」「利用に応じて20%相当が還元されるd払い」などなど、さまざまなお店で、コード決済で還元のアピールをしているのを見かけるようになったと思います。
私も、普段活用しているサービスの利用を振り返ってみると、Paypayだけでも1か月1000〜1500円をキャッシュバック獲得しています。うまく使えばポイントの還元で増税負担をかなり解消してくれそうです。
ただ、これらのキャンペーン情報、ついつい「利用しないと損!」となってしまうと、余計な浪費につながってしまうこともたしか。なので、少し冷静になって使うことが必要です。実際に私はキャンペーンに乗せられて、ふだんと違うお店を利用して、ついつい余計なものまで買い込んでしまうことがありました。
もちろん、うまく使えばとてもおトク! でも利用のスリム化していくことも節約には必要です。
●キャンペーン活用のルールは、普段使うお店をしぼること!
これらの過去の反省をふまえて、キャンペーン活用のマイルールとして、「普段利用するお店以外はほぼ利用しない」と決めました。とくに私はドラッグストアは1店決め打ち。キャッシュレス決済と提携していることが多いので、特売日とキャンペーン還元がダブルになることもあるんです。もうこれらを利用するだけでもとてもおトクです!
そのお店のオトク情報をカレンダーに登録しておき、買い物するお店も、回数も集中させています。日常的に「ストックが切れそうだな」と気づいたらLINEで自分にメモ送信。買い物当日はほかの品を見ずに、決めたものだけを買ってお店から出てきます。欠かせない日用品のお買い物だからこそ、節約のために我慢することなくしっかりとオトクに結びつけるようにしています。
また、情報収集しすぎないこともじつは大切なんです。お店で渡されるクーポンやニュースサイトで見かける情報はできる限りスルー。お店に行く頻度を無駄に増やしたり、クレジットカード入会が必要だったり、今の自分の行動以上のことはしないと決めました。
あくまで、自分の生活する範囲内でおトクをつかんでいくことがいちばんの節約になるでしょう。
これから年末にかけて、まだまだ期待できるキャッシュレスのキャンペーンが出てくるでしょう。上手に乗りこなして、増税も味方につけたいですね!
【綿島琴美さん】
オンライン家計簿サービス「Zaim」執行役員CCO、家計プランナー、2級ファイナンシャル・プランニング技能士として家計相談も行う。現在時短勤務中、趣味は家とオフィスの整理収納