ある日突然耳が聞こえづらくなる「突発性難聴」。歌手の浜崎あゆみをはじめ、堂本剛、サカナクションの山口一郎、スガシカオ、千原ジュニアらが罹患したことでも知られます。
今回は、突発性難聴の特徴や気になる初期症状について、愛知県春日井市の「坂井耳鼻咽喉科」坂井邦充先生に教えていただきました。
「突発性難聴」はどんな病気?治療法は?専門医に聞きました
忙しい世代ほど軽い耳の不調は見逃しがち。でも突発性難聴が疑われる症状を自覚したら、早めに医療機関にかかるのが正解です。
●突発性難聴は早期治療がとても重要な疾患!
――突発性難聴とはどんな病気ですか?ある日突然、何の前兆もなく片方の聴力が低下する病気です。鼓膜の奥にある内耳という場所に障害が起きる病気ですが、はっきりとした原因はわかっていません。
――どんな治療をするのですか?一般的な治療は、内耳の血流や代謝をよくする薬やビタミンB12、ステロイド剤の内服治療や点滴治療を行います。治療期間は、聴力の改善具合によって変わります。
――早期治療が大切と言われていますが本当ですか?本当です。難聴を自覚、いわゆる発症してから2週間以上経過してしまうと聴力の回復が思わしくありません。
――完治するのでしょうか?もちろん完治する方も多くいらっしゃいます。ただ残念ながら、少し改善はしたものの完治に至らない方、全く回復しない方もいらっしゃいます。約3分の1の方が完治、約3分の1の方はやや改善、約3分の1の方は回復がみられないという統計結果もあります。
――初期症状は・要注意な症状は?重い難聴になった場合は、いきなり聞こえなくなったことを自覚しますが、軽度の難聴の場合は、「耳がボーンとする」「耳鳴りがする」「音が響いて聞こえる」など様々な症状を自覚するだけで、聴力が低下していることを実感できない場合も多くあります。
要注意な症状としては、めまいです。めまいを伴う場合は、難聴の治りが悪いと考えられています。
突発性難聴は、めまいが一時的に起きたとしても長くは続きません。それに対して、メニエール病は、めまいを繰り返す病気です。
また、メニエール病は、聴力がよくなったり悪くなったりといった聴力の変動や再発があることも特徴のひとつです。突発性難聴は、再発の可能性はゼロではありませんが、かなり低いと言われています。
突発性難聴は幅広い年代で起こりえる病気ではありますが、40~60歳代の働き盛りに多くみられるとも言われています。早期発見が重要な疾患なだけに小さなサインを見逃さず、気になる症状がある方は早急に専門医に相談したいものです。