エアコン暖房を使う機会が増える「冬場」。外の気温と設定温度の差が大きいほど電力消費が増えるため、冬は1年でもっとも電気代がかかる季節です。そこで今回は、意外と知られていない「電気代の節約術」について、家電王こと東京電力エナジーパートナーお客さま営業部の中村剛さんにお話を伺いました。

※画像はイメージです(画像素材:PIXTA)
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暖房は「こまめに消す」方がいい?それとも「つけっぱなし」の方がおトク?

冬の寒さが厳しくなり、エアコンをフル稼働する機会が増えると、気にせずにはいられないのが「電気代」。暖房を「こまめに消す」のと「つけっぱなし」にする場合、果たしてどちらがおトクなのでしょうか?

「エアコンを1日じゅうフル稼働させている方も多いと思いますが、冷房、暖房ともに『必要なときだけ』つけるのが基本です。たとえば、暖房を1日1時間短縮した場合(設定温度20℃)は年間の電気代が約1260円節約できますよ(※1)」(中村剛さん、以下同)

ただし、場合によっては「つけっぱなし」のほうが電気代を抑えられることもあるそうです。

「近年のエアコンには、赤外線や人感センサーなどが搭載されているものが多く、こういった機種では部屋に人がいない場合、自動で効率的な運転を行います。そのため、エアコンの性能を生かした『つけっぱなし』の方がおトクになるケースもありますよ」

また、時間帯や外出時間の長さによっても、適切な使い方が変わります。

「寒い夜間は消費電力が増え、一方で昼間は暖かい分、消費電力が減ります。そのため、同じ『つけっぱなし』でも日中と夜間では電力消費が異なるんです。結局のところ、どちらがおトクになるかは時間帯や外出の長さ、そして『体感温度』に応じて使い方を調整するのがポイントですね。あとは、その家の“断熱性”によっても変わってきます」

エアコンは、設定温度が「1℃」違うだけで金額が変わる?

※画像はイメージです(画像素材:PIXTA)
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次に気になるのがその「設定温度」。環境省が推奨しているエアコンの設定温度の目安は、冬の暖房が20℃、夏の冷房が28℃ですが、中村さんによると、設定温度を1℃変えるだけでも金額に差は生まれるそうです。

●仮に1日に9時間エアコンを利用したとすると…

・暖房の設定温度を21℃から20℃にした場合、年間で電気代は約1650円(※2)おトク
・冷房の設定温度は27℃から28℃にした場合、年間で電気代は約940円(※3)おトク

「エアコンはその設定変更だけでも金額に影響が出ます。ただし、節約のために温度を極端に上下させすぎると、かえって体への負担が増えてしまうこともあります」

そこで、節約と快適さの両方を支えるポイントになるのが「体感温度(肌が感じる温度の感覚)」です。

「つい設定温度ばかりに目が行きがちですが、いくら暖房時の設定温度が低くても、そこで暮らしている人が寒ければ意味がありませんよね。だから、快適性を維持するためには、設定温度よりも“体感温度”をコントロールすることが重要なんです。たとえば、部屋の断熱性を高めたり、空気を回して加湿しエアコンの設定温度を下げるといったことも効果的です」

中村さんによると、断熱性を高める方法は意外と簡単。「厚手のカーテン」を窓の下までしっかり垂らすように設置すれば、熱を逃しにくくすることができます。また、ホームセンターで販売されている「プチプチ素材の断熱シート」を窓にはることで冷気を防ぎ、室温を保つ効果も期待できるそうですよ。