無邪気なかわいらしさはずっと変わらない

みかんを追いかける犬
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その無邪気さにも、何度も笑わせてもらった。坂道を勢いよく転がっていくミカンを追いかける犬は、もう止められない。

撫でられる犬

ただ年齢を重ねると共に、走る足取りが重たくなってきたようにも感じる。でも、畑の作業中に母が休憩を取ると、すぐに足もとに寄り添いにいく甘えたなところは幼いころのまま。

柔らかい表情の犬

そんな母がちょっとした骨折の手術で3日だけ入院したときに、退院して帰ってきた母を見つけた犬の「おかえり」の表情にはひどく胸を締めつけられた。安堵があふれている眼差しを母に向けていたのだ。

犬とのふれあい

犬と母のふたりのあいだには言語を超えた交感が、たしかにあった。そう母に言うと「ほんまそうやで」と当たり前のように笑った。

それと、この連載を締めるにあたって、どうしても犬の歯の弱さについて、ふたたび書き残したい。

私の知識不足から、犬は木の棒を噛(か)んで遊んだり、ジャーキーをおやつにしていて、昨年、歯が折れて抜歯手術をすることになった。そこで、獣医さんから聞いたのは、世間一般にはまだ浸透していないが、犬の歯はとても弱いということ。

噛む力は強いが、歯そのものは人間よりも弱い。日常的にかたいものを噛んでいたら、気づかないうちに歯にヒビが入っていたり、折れているのも珍しくないらしい。おやつにしてもオモチャにしても、女性が両手で持ってしならないものは歯には悪いのだと、教えてもらって、今までの人生でいちばん後悔した。

それからはやわらかいオモチャで遊ぶようにして、しならないおやつはあげていない。

来年はついに12歳。いつまでも元気でいてね

包まれる犬

来年には12歳になる。12歳や。末長く健康でいられるように、よりいっそう気をつけなくちゃ。

ケーキと犬

誕生日とうちにやってきた日を毎年inubot回覧板でお祝いできたのも、よいけじめとなっていた。連載が終わったあとも、私たちのパーティは続く。

アルバムをめくっていたら、きりがない!

あくびする犬

写真と思い出があまりにも多い。どれもがふたつとない大切な写真だが、あぁ、やはり最後に手に取ってしまうのは、ささやかで、見慣れた日常風景だった。