高知県から発信している農作業の様子が人気のYouTubeチャンネル、『ひろちゃん農園』。農園主であるひろちゃんの、80歳を過ぎても元気に畑と向き合う姿は多くの視聴者を元気づけています。今回は、そんなひろちゃんに畑仕事の楽しさを日々元気に楽しく生きるためのモットーを教えてもらいました。
※ この記事は『今日も明日も新しいことに挑戦!80代、ご機嫌に生きる人生の耕し方』(KADOKAWA刊)より一部抜粋、再構成の上作成しております。
すべての画像を見る(全2枚)頭の中の90%は畑仕事。「それが好きやき」
畑しごとに終わりはありません。やってもやっても、まだまだやりたいと思うき、1日のほとんど、畑しごとをしています。
畑で野菜の手入れをしゆうときも、肥料をつくりゆうときも、種まきや育苗した苗を定植するときも、そのときの作業に全力投球しちょります。
ほかのことはなにも考えん、すごい集中力やと自分でも思います。
こんなに畑しごとばっかりやりゆうき、「お友達と遊びに行ったり、息抜きしたりしないのですか?」「畑以外の趣味はなんですか?」と聞かれることもありますが、畑で作業するのが楽しくて、それ以外のことに興味がもてません。
時々、「こんな年寄りひとりに畑作業をさせて家族はひどい」というコメントをもらいますが、重労働に見える畑仕事も自分でするのが楽しいからやってます。
結婚してからずっとここで暮らしているから、顔見知りや昔からの知り合いはたくさんいます。そんなに自分から話していくタイプでもないき、顔を合わせたら、ちょっとしゃべったりするけんど、人づき合いはその程度やね。
収穫した野菜をお裾分けしたら、「卵の殻、畑仕事で使うやろ。集めて持っていくわ」と言うてくれて、家の郵便受けのそばに置いてくれる人もいます。私と同じように、畑仕事をする人と作物の実り具合を話すこともあります。
畑を広げてから、大学ノートに畑しごとの日記を書くようになりました。「80歳やけど気持ちは18歳や」といつも言うて、記憶力も衰えてないつもりやけど、記憶違いがあっても困るき、ちゃんと記録した方がえいと思うたからです。
毎日、どんな作業をしたのか、どこになにを植えたのか、肥料はなにをどれぐらい与えたのか、などを書いています。1年中、野菜を育てているので、どの畝になにを植えているのかも、メモしています。
前の年の育て方や成功、失敗が、ノートを見たらわかるのがええね。
忙しい日や疲れた日に書き忘れると、なにをしたかわからなくなるので、毎晩、寝る前に書くことを習慣にしています。
学生時代も育児中もこんな日記をつけたことはありませんでした。人生で初めての経験です。好きなことに夢中で向き合うと、自分には縁がないと思っていたことまでやるようになるんや、と自分でも驚いています。
もし、私の頭の中をのぞいたら、90%が「畑仕事」、残り10%は「畑仕事をするために家ではゆっくりしよう」。結局、全部畑のことです(笑)。
すべてのことは、畑に通ず、です。
