気がつけばイライラしている。しっかり寝ているはずなのに疲れが取れない。仕事や家事に対してやる気が出ない。周囲の人に嫉妬してしまう…。そんな状態に陥ってしまうのは、もしかしたら日々の「食事」に問題があるのかもしれません。今回は脳科学者の黒川伊保子さんに、疲れにくくてやる気にあふれた脳のつくり方を伺いました。
「やる気が出なくて憂うつ!」をレスキューする方法
やるべきことが山積み状態、いつもなにかに追われていて、心休まることがない。仕事の責任が増えているのに、体力的には下り坂で、やる気が出ない。
同僚とのキャリアを比べるだけでなく、仕事ができて上司とうまくコミュニケーションをとっている後輩にまで嫉妬してしまう。
転職も考えるけれど、この時代、今の会社よりも給料のいいところに行ける確証もない。こんなことを鬱々と考えている、お疲れ気味の方、意外と多いのではないでしょうか?
「やる気が出なくて憂うつ」というとき、原因は2つあります。1つは、自分の脳の神経伝達状態が憂うつになりがちな状態に陥っているということ。もう1つは、外部環境です。
通常、人は外部環境のせい(仕事のせい、家族のせい)にしがちですが、多くの場合、この2つの要因が絡み合っているのです。きっかけは外部環境であっても、そのストレスが引き金となって自分の脳が「やる気が出なくて憂うつ」状態に陥り、周りとの関係をさらに悪化させているケースがあります。
また、甘いものの食べすぎで脳が不安定になり、「やる気が出なくて憂うつ」状態に陥り、仕事の評価が下がってしまうケースもあります。
残念なのは、多くの場合、本人は自分の「脳の変化」に気づかず、周りへの不満でがんじがらめになってしまうこと。いずれの場合も、まずは自分の脳を、そんな情況から救ってあげること。
「てっとり早く炭水化物」の食生活がイライラ脳をつくる
「疲れやすく、他人が気になる」という方のほとんどは、ビタミンとミネラル不足。ビタミンB群やカルシウム、ナトリウム(塩)が不足すると、脳神経回路の伝達がうまく制御できなくなります。
そして、「疲れやすい」「他人の言ったこと(評価)が必要以上に気になる」といった傾向を脳にもたらします。
以下の項目に心当たりはありますか?
・忙しいので、てっとり早い炭水化物(パン、ご飯、うどん)でおなかを満たしている
・胃も疲れているみたいで、肉や野菜をしっかり食べられない
・イライラや落ち込みをなんとかするために、甘いものをつい食べてしまう
・健康のために減塩している
・ダイエットのために、コレステロールを含む食品をとらないようにしている
・ダイエットのために、乳製品は、できるだけ豆乳で代替している
じつは、こうした食生活では、脳や神経系が欲しがっているビタミンB群、鉄分、カルシウム、それらを脳に運んでくれるアミノ酸、ナトリウムが圧倒的に不足しています。