「家族に緑内障の人がいる」「最近、目の疲れが気になる」。そんな方は、緑内障のリスクが高いかもしれません。さらに、睡眠中の姿勢や枕の高さなど、日常のちょっとした習慣も悪化の引き金になることも。今回は、緑内障が悪化しやすいタイプや、予防のために見直したい生活習慣について、二本松眼科病院・副院長の平松類先生にわかりやすく解説してもらいました。
すべての画像を見る(全5枚)緑内障が悪化しやすいのはどんな人?
家族に緑内障患者がいる、視神経が弱い、生活習慣病や眼圧が高くなる習慣がある人は要注意。
緑内障になりやすい人、その症状が悪化しやすい人について、タイプ別に解説しますので、該当する方は早めに眼科を受診してください。
1:家族や親類に緑内障の患者がいる
血縁のある家族や親類に緑内障の患者さんがいる人は、そうでない人と比べて緑内障になりやすく、悪化もしやすいという研究報告があります。このように血縁者に患者がいると同じ病になりやすいことを、医学用語では「家族性がある」といいます。
2:近視が強い
3:眼圧の変動が激しく検査値がばらつく
4:もともと視野が悪い
5:乳頭出血しやすい(視神経乳頭)
近視が強くなると視神経が引っ張られて、ダメージを受けやすくなります。また、眼圧の変動が激しく、検査値がばらつく人も、視神経が傷つきやすいといえます。
また、先天性や持病により、もともと視野が悪い人も、緑内障の症状が悪化しやすい傾向があります。
乳頭出血とは、目の診察時に認められる視神経の出口・視神経乳頭からの出血のことです。
乳頭出血しやすい人は、視神経が脆弱なため、緑内障になりやすく、症状も悪化しがちです。また、正常眼圧緑内障のリスクもあります。
6:高血圧・低血圧・糖尿病などの病気がある
7:睡眠時無呼吸症候群である
これらの病気がある人は、緑内障だけでなく、各病気の治療も並行して行ってください。
8:日常生活のなかでいきむことが多い
負荷の高い筋力トレーニング、重いものを持ち上げる肉体労働などの習慣がある人は、眼圧が上がりやすいので注意しましょう。
●なぜ親族が緑内障の人は発症しやすい?
血縁関係のある家族や親類に緑内障の患者さんがいる人は、緑内障リスクが高くなるという理由については、遺伝的原因と環境的原因の両方が関係しているとされています。
つまり、緑内障になりやすい体質・環境・生活習慣があるということなのです。