不安にとらわれる人生はつまらない

登山をするシニア女性
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日本には公的年金というすばらしい制度がある上、老後に必要なお金は減るばかりなのに、なぜ私たちはお金を貯めこんでしまうのでしょうか?

それは、何度もお伝えしていますが、「不安」だからです。不安の正体は曖昧で具体的な対策が立てにくいからこそ、放置すればどんどん不安は膨らんでしまいます。

たとえば、3000万円の貯蓄がある人は、「これから何が起こるかわからないから、5000万円必要なんじゃないか」と考える。5000万円を持っている人は、「これだけではたりない、7000万円は必要だ」と考える。

こんなふうに、いくら資産を持っていても、自分に必要なお金がわからなければ際限なく不安が膨らんでしまいます。

でも、ずっと不安にとらわれながら生きるなんて、本当にもったいないこと。これほどつまらない人生はないでしょう。

どうせ同じ時間を過ごすならば、不安な気持ちで過ごすより、「これがしたい!」「あれを楽しみたい!」と、自分が心からワクワクできることにエネルギーを注ぐほうがずっと生産的だと思いませんか? 

健康やお金の心配はもちろん大事ですが、それにとらわれすぎるあまり毎日の楽しみを忘れてしまったら人生はつまらないものになってしまいます。

シミュレーションをして不安を捨て去ろう

シニア夫婦
※画像はイメージです。(画像素材:PIXTA)

このような不安を捨てるためにはどうしたらいいのでしょうか。それは、老後のシミュレーションをしてみることです。

自分の未来について簡単に計算してみて、「このくらいあれば大丈夫かな」とか、「少し働いてみようかな」といったイメージが持てれば、安心感が生まれて残りの人生を前向きに楽しめるようになります。

50歳を過ぎると、「人生はまだ半分ある」と思いがちですが、元気に動ける時間は、実際には25年から30年ほどしかありません。この限られた時間を不安でいっぱいにして過ごすのはもったいないと思いませんか?

●年金月6万円でも老後に不安は感じない

計算どおりにならなくても、それはそれで構いません。

むしろ、「計画したとおりにはならないから」といってシミュレーションを放棄して不安を抱え続けるよりは、多少のズレがあったとしても自分のお金を有意義に使って、残された健康な時間やエネルギーを最大限に有効活用して楽しむことのほうがずっと大切だと思います。

フリーランスとして長年働いてきた私の場合、厚生年金はほとんどないので、支給される年金額は、月額6万円程度。決して多くはありません。それだけ考えれば不安に感じますが、自分で加入した国民年金基金、積み立ててきた小規模企業共済などをうまく組み合わせ、老後の資金計画を立てて実際に行動することにより、不安はありません。

未来へ不安を抱いたら、まず現状がどうなっているのかを把握する。そして、どんな未来が起こりうるのか想定し、そこから逆算して最低限の対策を取る。その上で、自分の資産を目いっぱい活用して人生を楽しむ。

そんな手順を踏むことで、これからの人生を豊かに生きることができるはずです。

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