幸福度は今がいちばん！日々楽しむことを大切に
――渡辺さんはすごく今を楽しんでいらっしゃいますよね。幸福度は若い頃と比べると、どうですか？
渡辺：今がいちばん幸せですね。変えられない過去のことを考えるよりも、見えない未来に不安を感じるよりも、「今できること」「今楽しむこと」が大切だなと思っているので。だから、今がいちばん！
――そう言いきれるのはすごくすてきですね。
渡辺：もちろん「あの頃は若かったな」と懐かしく感じたり、子どもの小さかった頃の写真を見て「かわいかったな」と思うこともあります。でも、成長そのものが喜びでもあり、どんな経験も振り返れば喜びになるものだと思っています。
夫婦関係も結婚当初とは当然変わったこともあります。でも、「どのように生きていきたいか」「どう暮らしていきたいか」ということを、節目ごとに夫婦で考えることは大切で、私たちは話し合うことができてきた。だから今に満足しています。
60代、70代は身軽で心地よい暮らしがしたい
――これから60代、70代、どんな風に暮らしていきたいですか？
渡辺：今の生活をさらにダウンサイジングしていきたい。ものを整理し、家も住み替えて、60代、70代に向けて、手に余る生活はせずに必要なものだけで暮らしたいですね。ちょっと寂しい気もしますが、必要なものとほんの少しの好きなものや大切なものがあれば十分かな。
ものを手放して、すっきりさせたことで、だんだんと「私に必要なものはじつはそんなに多くなかった」と気づいたんです。だから60歳に向けて、家の各所を片付けていきたい。そういう意味でも身軽で心地よい暮らしがしたい。あとは、家族が健康で過ごせれば！
――目標とする人生の先輩はいらっしゃいますか?
渡辺：小泉今日子さんや樹木希林さんを始めとして、「すてきだな！」「かっこいいな！」 と思う先輩はたくさんいます。でも、私にはそれはできないな…と思っているので、自分なりの飾らない人生をつくっていけたらいいですよね。
憧れの人と自分を比べて「なんでできないんだろう」と思うのはつらいこと。だから、「自分なりにおもしろいおばさんだな」と言われる60代、70代になりたいですね。
――最後に同世代のESSEonline読者へ向けてメッセージをお願いします。
渡辺：皆さんがんばっていますよね、本当に。今でも十分がんばっていると思うので、自分のことをたくさん褒めちぎってあげてください！ そして、自分なりのおもしろいこと、楽しいことを、一緒に探していきましょう。
聡明さと柔軟さ、繊細さとタフさを合わせもった渡辺満里奈さん。そのしなやかな生き方には、参考にできそうなヒントがたくさんありました。これからもおもしろく、元気に、私たちの一歩前を歩んでいってくれそうです。
