4.自分の人生を“これからの物語”として見ている

街中
すべての画像を見る(全7枚)

「私の人生、まだ半分残ってるのよ」と言っていた70歳の女性がいました。

まるで物語の1章が終わって、2章目が始まったばかりのような話し方。過去の経験は誇りにしつつも、それにしがみつかない。

「私は昔○○だった」という話より、「今これを始めた」「来月はこれをやってみたい」の話ばかりです。若い頃、仕事にしていた内容とはまったく違うものにも次々トライし、人を豊かにするとは、こういうことなのか…と驚かされることばかり。

人生を“回想”じゃなく“計画”として話す人の言葉は、やっぱり生き生きしています。年齢ではなく、「今なにをしているか」で、自分を語れるってすごいことです。

5.失敗を恐れない。むしろ笑い話にする

カラフルな柄の洋服

私がスペインで感じた最大の違い、それは「失敗を恐れない人の多さ」でした。

言葉を間違えても、道に迷っても、「うまくいかないこと」さえも楽しんでる。

70代の留学生仲間が、昨日つくったの…と焦げ焦げのパウンドケーキをアルミホイルに包んで持ってきてくれたときのひと言は「最高に香ばしいのができたわよ!」。

完璧じゃない毎日を、笑って前に進める力。

それこそ、年齢を重ねた人にしか出せない、味わい深い魅力かもしれません。

自分の人生、主役はいつだって自分

高齢な夫婦の後ろ姿

私は今も、スペイン語はたどたどしく、仕事も手探りです。でもそんな自分を、「まだ途中」だと思えるようになりました。完成された人になるより、「変化し続ける人」が、人生をより豊かにすることを感じています。

人生に「遅すぎる」ことは1つもなく、「もう〇歳」じゃなくて、「まだ〇歳」。そう思えるようになったのは、年齢を“重ねている”というより、年齢を“超えて生きている”人たちが、私のすぐそばにたくさんいるからです。

人生の「最後のページ」はなく、「もうひと幕目」として生きていいことに、そう気づかせてくれた出会いに、心から感謝しています。