「白い髪が新鮮」という言葉に置き換え、気持ちをきり替えた
すべての画像を見る(全4枚)私がいくつか大切にしていることに「そのなかに楽しさや意味を見いだす」というものがあります。白い髪にすることもそれと同じ。「白い髪が増えてきた」と捉えるより「白い髪が新鮮」と言葉を置き換えると、楽しさと未来が広がります。
自分がどうすれば快くいられるか、どう考えれば気持ちが軽やかでいられるか。立場や状況は、人それぞれですが、できないことや課題があったとしても、言葉や気持ちをきり替えることはできます。
かつての自分や自分以外のなにかと比較するより、ここにいる自分を大切にし、手をかけられるときはかけ、気を配れるところは配り、思い出したときに背すじを伸ばす─。そんな風に日々を重ねていけたらいいですね。
白い髪になり思うのは「白い髪は、未来の自分と手をつなぐこと」。あたらしい髪色の私は、始まったばかりです。
「今までのことを振り返りながら、60代のために新しいスタートラインを『引き直したい』と思うようになりました」と話す広瀬裕子さんの書き下ろしエッセイ集『60歳からあたらしい私』(扶桑社刊)では、ほかにも60代からの小さな暮らし、家族の看取り、クローゼットの整理、食器選びなどについて、丁寧に綴(つづ)られています。
