健康や心のモヤモヤが増えてくる40代50代。お悩みに際して少しでも心が軽くなるように、産婦人科専門医の高尾美穂先生が親身になって答えます。ここでは、頭痛や立ちくらみが増えたという読者のお悩みについて、ほかの病気が潜んでいる可能性を教えてくれました。
すべての画像を見る(全3枚)読者のお悩み:頭痛や立ちくらみは更年期のせい?
以前から更年期症状があり、2年前から頭痛や立ちくらみを感じます。市販薬を飲むと落ち着きますが、調子が悪いときは数日続くことも。この症状が更年期によるものか、ほかの病気か区別がつきません。(Tさん・53歳)
不調を「更年期のせい」とひとくくりにするのは危険
まず大前提として、更年期障害の診断には、ほかの病気が潜んでいないか確認する必要があります。頭痛や立ちくらみは女性に比較的多い症状ですが、更年期によるものとは限りません。
たしかに更年期は、女性ホルモン(エストロゲン)の乱高下が激しく、自律神経が乱れやすいとき。そのため血管の収縮・拡張や血圧の調整がうまくいかず、頭痛や立ちくらみが起こることも珍しくありません。
しかし、慢性的な頭痛や立ちくらみのようなふらつきには、脳腫瘍のような怖い病気が隠れている場合もあります。相談者さんは以前から更年期症状を感じていますが、すべての不調を「更年期のせい」とひとくくりにするのは危険なことです。
「市販薬を飲めば治まるくらいの軽い頭痛で病院に行ってもいいの?」と悩まず、一度受診をおすすめします。「仕事や家事を休みたい…」と思うほどの症状であれば、病院にかかる立派な理由になります。
なお、頭痛は脳神経外科や頭痛外来、立ちくらみは耳鼻科が専門です。一度検査を受けると安心にもつながります。