「スペインで暮らしたら物欲が減った」と話すのは、50代で単身留学して3年になるRitaさん。スペインでは、日本とは違う流行の追いかけ方があることに気づいたそうです。物や流行りに対する考え方の違いや物欲が減った理由をレポートしてくれました。
すべての画像を見る(全7枚)スペインで暮らしたら「物欲が減った」
日本にいた頃の私は、雑貨を見ればなにか買いたくなり、SNSで見かけた服やアイテムにすぐ心が動いていました。流行に敏感というほど追いかけていたわけではありませんが、「気に入ったものに囲まれること」が、幸せの1つだとも思っていました。
でもスペインで暮らし始めてから、不思議と気持ちが変わり、かわいいいと思っても「同じようなのを持っているし」と、物欲がわかなくなりました。多少不便があっても、使えれば問題ないと思っています。
ものが減っていくと、自分の中がゆっくり整っていくような感覚になっています。
今回はスペインでの暮らしを通して感じた「物欲が消えていった日々」を、つづってみたいと思います。
欲しいものより心地よさが大事になった
スペインに住み始めてから、街に出ても「これ欲しい」と思うことが減りました。
日本にいた頃は、流行りのアイテム、限定品にも心が動いていましたが、今は、使える? 気分が上がる? 気持ちよく過ごせる? が優先。ものよりも「暮らしやすさ」が選ぶ基準になったのです。
たとえば、洋服も着飾るより、歩きやすさや気候に合うことが第一。雑貨にしても、色味や質感が空間になじむかどうか。
たぶん、周りが自然体だから、私自身も「無理に欲しくなる」ことがなくなったのかもしれません。
周囲の価値観に無理して合わせなくなった
日本では、「それすてき」「かわいい」と言われるたびに、自分の感覚じゃなくても欲しくなってしまったり、だれかに褒められることで、ものを買う理由ができていたような気もします。
でもスペインでは、周囲も人の目をそこまで気にしておらず、好みが違って当たり前、が自然に根づいていて、比べる気持ちはゼロ。洋服や持ち物が話題になったり、褒め合うようなことは滅多にありません。
そうなると、買い物ってすごく個人的なもので、じつは「欲しいと思ってた」んじゃなく、「欲しいと思わされてた」だけだったのかも、と気がつきました。