僕の仕事は「役」に命を吹き込んでいくこと

現場でもらった鶏そぼろのおにぎり
現場でもらった鶏そぼろのおにぎり
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こんな風に、鬼側、人間側と、それぞれの立場によって見方は変わってきますよね。僕はドラマや小説を読むときは、たいてい相手側の心情や環境が気になってくるタイプです。

もちろん主人公にも感情移入するのですが、どちらかというとライバルだったり敵だったり犯人だったり、あまり深くは掘り下げられない役に興味が湧いてくるのです。

見方によっては話が変わってくるし、相手の立場に立てば理解できることも増えるかもしれない。

お仕事で台本を読むときも、自分の役の背景や環境、趣味趣向、これまでの生き方などを自分なりに考えてキャラクター設定をつくってみることもあります。

台本上には描かれてないけど、その役に命を吹き込んでいくのが僕のお仕事ですもんね。
あ、ちなみに鬼のパンツは虎柄ですが。

これにはちゃんと理由があるそうで、鬼門の方角が干支で表すと牛と虎の間にあったため、鬼は牛の角を生やし虎柄のパンツをはいている。だそうです。

…残念ながら、何故にパンイチなのかはわかりませんでした。洋服着たらいいのにね。風邪ひいちゃう。

熱い芝居から刺激を受けた3月

楽屋の鏡

そして3月。3月は新国立劇場で上演された「平家物語 ー胡蝶の被斬ー」への出演がなんと言ってもいちばんの大きな出来事。朗読劇という括りに収まりきらないダイナミックなステージで、得るものの多い公演でした。

現場写真

我々声優は2週間程の稽古。ですが、パフォーマーの皆さんは数か月稽古に励み、平家物語の世界を構築されていました。若さと情熱溢れる温かいカンパニーで、私は3ステージのみの出演でしたが、最終日には寂しさで一杯になりました。

しかしながら、寂しいとばかりも言っていられません。本番中、同じ板の上で感じた、先輩後輩の熱い芝居。生きた台詞の一つ一つから受けた大きな刺激。それらを胸に、私も一層芝居に励まなければ!

新生活スタートの4月を目前にとてもいい、あと押しを貰った気持ちです。やっぱり芝居は楽しい。そんなことを感じられたすてきな3月でした。