感情を爆発させないための入浴と睡眠

ほかの例では、今暮らしている家も、物件探しに前のめりだった私がネットで見つけて、まずひとりで下見に来て、その後に夫を連れて再度、内見させてもらったのでした。私には私の、「今すぐこれをやっておいたほうがいい気がする」という大切な感覚があるのです。それに従ってどんどん動きながら、毎日のコーヒー休憩のときに夫に進捗報告だけはしておく。状況がわかると家事のサポートに回ってくれるため、「私ばかり忙しくて相手はなにもしてくれない」という不満がたまっていくことを回避できている気がします。

それでもときには、お互いの波長が合わず、穏やかな気持ちで向き合えないこともあります。たいていは、体が疲れているときか、時間がなくて焦っているとき。そんな日は、伝え方どうこうより、まずは自分の感情を爆発させないようにコントロールする。そのためにやることはただひとつ、ゆっくりお風呂に入って、さっさと寝ることです。 

抑えきれない負の感情を相手にぶつけることは、人によっては必要かもしれないし、状況によっては不可避かもしれません。

でも、言えずにため込むか、爆発してぶつけるかでは、ゼロか百。振り幅が大きいほど心身は疲れ、本来の状態を取り戻すのに時間とエネルギーが必要になります。

そうなる前に、とにかく今日は寝てしまうのです。たっぷり寝れば、翌日には体力が回復して、思考も整理され、相手を傷つけずに伝えられる言葉がふわっと浮かんできます。

一時的な感情に任せず、落ち着いてコーヒー休憩で話し合う

そういえば最近も、ある仕事に対して夫婦のテンションに差があり、意欲的な私が消極的な夫に対してイライラ、一触即発状態となりましたが、無事に回避したどころか、この段階できちんと話せてよかったね、と和解に至りました。

そのときは、言い争いになりかけたところで夫が「ちょっとお互い考えて、明日のコーヒー休憩のときに落ち着いて話そう」と言ったため、一時休戦となりました。

私は外に出て、近所を歩きながら、ぐちゃぐちゃにからまった頭の中を整理しました。そして家に戻り、今度はノートに考えを書き出して、落ち着いて伝える準備をしました。

翌日のお昼前、いつもどおり夫がコーヒーを淹れ、縁側で向かい合って座りました。すると、夫の手にもノートが。彼も今の考えと今後の方針を書いてまとめていて、それを見ながら、冷静に私に伝えてきてくれました。

お互いの意向を照らし合わせてみると、じつはそれほど食い違ってもいなくて、30分後には、それぞれ伝え残したこともなく、スッキリした顔でコーヒーを飲んでいました。

なにより避けたいのは、一時的な感情を、思いやりのない言葉でぶつけ合うこと。自分も相手も傷つき、疲弊し、後悔することになります。

どんなに近い相手であっても、感情的にならずに、節度をもって話す。それを積み重ねながら、夫婦の信頼関係は強くなっていくような気がします。

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