健康面や家族関係など、さまざまなことが変化していく40代、50代。「このままの暮らしで幸せになれるの?」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。そこで、77歳の今も第一線で活躍する歌手・森山良子さんに「日々を幸せに生きる秘訣」を教えてもらいました。
すべての画像を見る(全5枚)しっかり体を動かすことがめげない精神力の土台に
大好きな編みものに熱中しているとき、友達とおしゃべりするとき、孫娘と遊んでいるとき…。日々の暮らしのなかに幸せな瞬間はたくさん! という森山良子さん。
「もともと、私はあまり落ち込まない性格。イヤなことがあっても、鏡を見て『腐った顔してないでがんばんなさいよ!』と自分自身に声をかけて、次に進みます」(森山さん、以下同)
振り返ると「いちばん体力がある時期だった」という40~50代は、コンサートのため日本じゅうをアクティブに飛び回っていたそう。
「当時は寝ないで遊んだりもしたし、よく運動もしましたね。とくに更年期が始まった頃から、コンサートの前に走るようになったんです。日本の美しい原風景のなかを走っていると心が癒やされて、『皆さーん! ここはとってもステキな場所ですねー!』と大声で叫びたくなっちゃう(笑)。やっぱり体力があると、多少のことにはめげない精神力もつく気がします」
いくつになっても夢はかなえられる
仕事もプライベートも、そのときどきで精いっぱい取り組んできたという森山さんですが、「まだ気力も体力もある若いうちにやっておきたかったな」と思うことも。そのひとつが、海外で暮らすこと。
「若い頃、仕事を休んでアメリカで暮らす計画を何度か立てたんです。でも恋愛だったり、家族のことだったり、いつも行けない理由が生まれてしまって」
その夢がようやくかなったのが、昨年の夏のこと。昨年12月にリリースしたアルバム『Life Is Beautiful』でジャズに挑戦するために、ニューヨークで新たな歌唱法を学ぶ“短期留学”をしたそう。
「私は小さな頃からクラシックを学んできて、自分なりにいろんな声の出し方を身につけてきたつもりでしたけど、ジャズとなるとまったく歌唱法が違う。レッスンでも先生に『はっきり言って、良子さんの聴いてきたジャズは古いです。まずは発声の仕方から始めましょう』と言われて。難しかったけれど、とても楽しい日々でした」
なにより、77歳にして新しい挑戦ができたことは、「とても幸せな経験だった」と森山さん。
「かつてできなかった海外留学も、今のタイミングだったんだな、と。うれしかったのは、自分にまだ成長できる部分があったこと。なにごとも『これでいいや』と満足せず、挑戦を続けていきたいです」