片付けたい…と思ってもタイミングが難しいと感じている人は多いのでは。娘と息子の巣立ちを機にすっきりとした暮らしを目指し、片付けを始めたというのは、YouTube「60歳からの幸せライフ」が人気の60代YouTuberライフさん。なかなか手放せなかった食器に向き合い、お気に入りの食器だけに囲まれた、楽しくて気持ちのいい生活へ。

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義母から受け継いだ食器たち。毎日の食事に大活躍です。
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ものにあふれた生活は「しょうがない」と思っていた

「おやつを食べるのと部屋の片づけをするの、どっちが好き?」
今なら迷わず「おやつ!」と答えますが、子どもの頃の私は喜々として部屋の片づけを選ぶようなタイプでした。

部屋をぐるりと見回しては、使っていないものを捨てたり、小物にホコリがつかないように収納場所を考えたり。暇があればいつもそんなことをしていたから、結婚を機に家を出るまで、自室は常にすっきり片づいている状態。ムダなもののない自分の部屋を、居心地よく感じていました。

ところが結婚して子どもが生まれ、学校に通うようになると状況が一変。子どもたちは自室よりもリビングにいることが好きだったので、学校関係のものや遊び道具などがリビングに山積みに。そこに飼っていた猫のグッズまで加わり、ものであふれた状態になってしまったのです。

夜、寝る前に片づけても、翌朝、子どもたちが起きてくれば、あっという間に元のカオスなリビングに逆戻り。これはもともと整理整頓好きな私にとって、かなり頭が痛い状況でした。けれども、そもそも子どもたちにリビングで勉強したり、遊んだりして欲しいと望んだのは私と夫。そのために子ども部屋を小さくしたのですから、イライラするのはお門違いもいいところですよね。

となると、私にできるのは、「子どもが小さいんだから、しょうがない!」と自分に言い聞かせることだけ。

心の片隅に「いつかきれいに片づけるぞ……!」という希望の火を灯しながらも、ものであふれた部屋での暮らしが、この後15年ほど続きました。

子どもたちの独立を機に“理想のすっきり暮らし”へ

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普段使いの食器は、自分が使っていて心地いいものだけを残しました。

50代になり娘と息子が結婚や就職を機に家を出ると、すっきりとした暮らしがしたかったんだという思いがむくむくとよみがえり、洋服を手始めに、使っていない調理道具、生活雑貨なども徐々に手放していきました。

こうして順調にものが減り続けていったわが家ですが、なかなか手放せなかったものがありました。それは食器。

私自身、過去に大病を患ったことがあるため、子どもたちの健康にはなにより気を配ってきました。その主軸となっていたのが、食事です。だから自分でも気がつかないうちに、食器には特別な思い入れを持っていたんでしょうね。

捨てようと思って子どもたちが使っていた食器を手に取ってはあれこれ思い出してしまい、結局また食器棚に戻す、ということをくり返していたんです。

そんなときに義母が亡くなり、実家じまいをすることに。義母はとてもセンスのいい人で、若い頃から骨董品などを買い集めていたそう。そんな義母の食器を受け継ぐことになったのですが、わが家の食器棚はすでに定員オーバー。

そこでえいやっと、赤ちゃんのときに使っていたプラスチックの食器やカトラリーなど、子どもたちの食器を処分。一瞬、「子どもたちが泊まりに来たとき用にとっておく!?」とも思ったけれど、結婚してそれぞれの家庭を築いている今、泊まりがけで遊びに来ることはほとんどありません。もし来たときには、お客様用の食器を使えばいいやと、やっと踏んぎりをつけることができました。