「ミュージカル界のプリンス」として絶大な人気を誇りながら、ジャンルにとらわれない活躍を続ける山崎育三郎さん。忙しい毎日を送る女性に向けて暮らしをうまく回すヒントを紹介する『新しい24時間の使い方』(扶桑社刊)では、さわやかな笑顔で表紙を飾っています。発売を記念してインタビューの一部を抜粋・公開します。
すべての画像を見る(全2枚)仕事もプライベートも今、目の前のことに集中
ミュージカル俳優としてはもちろん、テレビドラマやトーク番組のMCなど、幅広い活躍で、唯一無二の存在感を放つ山崎育三郎さん。プライベートでは父親でもあります。
「前日がどんなに遅くても、朝は家族そろって過ごします。というか、毎日6時頃になると、わあっとにぎやかな子どもたちの声に起こされてしまって(笑)」
忙しい毎日のなか、自分ひとりの時間というのは「ほとんどない」と言います。
「仕事以外の時間は、ほぼずっと家族と一緒。休日は、家族で出かけたり、近所を散歩したり、キャッチボールしたり…。家族と一緒に過ごすのは、僕にとってはリラックスできる時間。家でピアノを弾いて、子どもたちと一緒に歌うなんてこともありますよ」
忙しい日々のなかで、家のことと仕事の両立は大変そうですが、時間管理で気をつけていることはあるのでしょうか?
「うーん…『先の予定』というのはあまり意識しないかもしれません。仕事もプライベートも、全部つながったものとして捉えているんです。目の前のことを一生懸命やる。常に『今、この瞬間』に集中していますね」
目の前のことに対する集中力が途切れないのは、楽しむ姿勢も大きいのだそう。
「仕事を、仕事と思っていないのかもしれない(笑)。いつでも文化祭の前日みたいに、ああしたらどうかな、こうしたらおもしろいんじゃないかなとワクワクしているんです。だから、『忙しくて大変』という感覚はないんですよね」
山崎さんが唯一大変だと感じるのは、仕事に関する「勉強」の時間だと言います。
「夜の9時から12時ぐらいまでが、仕事のために集中してインプットする時間。台本を覚えたり、役に関する本を読んだり。舞台に立つうえで欠かせない準備です」
ドラマで演じているときから「ミュージカルにできる」と確信
現在、自身が企画を務めたミュージカル『昭和元禄落語心中』のメインキャストとして公演準備中。原作は、戦前の黄金期から昭和末期にかけて江戸落語の世界を描いた大ヒットマンガ。2018年にテレビドラマ化された際にも、山崎さんは今回のミュージカルと同じ、天才落語家の助六役を演じました。
「舞台の場合、数か月にわたる稽古を経て初日を迎えますが、テレビドラマは限られた時間でセリフを覚え、役柄を自分のものにし、現場で演じる瞬発力が必要です。短いスケジュールのなかで、落語の9演目を覚え、しかもそれを天才落語家として演じる…大きなプレッシャーがありましたが、同時にとても印象的な作品でした」
日本独自の文化である落語のすばらしさに触れ、登場人物たちの個性あふれる魅力や、恋愛模様にも引き込まれたと言います。
「いろいろな作品に出合うたびに『これをミュージカルにしたら、どうなるんだろう?』と考えるクセがあるんです。なかでもこの作品については、『ミュージカルにしても絶対にうまくいく』という確信が、なぜかありました」