近年、闇バイトで集められた素人による乱暴な強盗犯罪のニュースがたびたび報道されています。自分や家族を犯罪から守るためになにができるのでしょうか? そこで、住宅の防犯対策などを担当する警視庁生活安全総務課の森田さん に、日頃から意識すべきことなどを教えてもらいました。
すべての画像を見る(全5枚)家の「戸締り徹底」が強盗対策の基本
自宅に突然侵入してきて、ときには暴力や脅迫を伴う「侵入強盗」。今日からできる対策について、警視庁に聞きました。
――侵入強盗事件は現在どのくらい起きているのでしょうか?
「令和5年の侵入強盗総数認知は70件です。この数には商業施設やホテルで発生した強盗も含まれておりまして、住宅を対象としたものは24件です。そのうち一戸建住宅に対する侵入強盗が7件、中高層住宅11件、その他の住宅6件となっています」(警視庁生活安全総務課の森田さん、以下同じ)
――手口はどのようなものが多いのでしょうか?
「侵入強盗の手口を統計として提示できるものはありませんが、参考として令和元年~5年の住宅の侵入窃盗の侵入手段はこちらになります」
――無締まりが約半数を占めているんですね。まずは日ごろの戸締りが大事だと改めて思いました。
「はい。基本的に在宅中であっても玄関や窓に必ず施錠するなど、日ごろから戸締まりを徹底することに加えて、ゴミ出しや買い物など短時間の外出でも必ず戸締まりを心がけていただきたいです。外出の際は、玄関のドアだけでなく、2階の部屋や浴室の格子やトイレの窓まですべて施錠を確認してください。そして、合鍵は郵便受けや鉢植えなどに絶対に置かないことです」
家の防犯対策を強化して「侵入しにくい環境」をつくる
――無締まりの次がガラス破りや施錠あけ、ドア錠破りと、玄関や窓などから侵入される手口が多いのですね。これらの防犯対策としては、なにをしたらよいでしょう?
「ドアや窓を物理的に強化して侵入を防ぐことです。玄関ドアには補助錠の設置や防犯性能の高い建物部品(CP部品)に交換するのもいいでしょう。というのも、ドアに錠が2つ以上ついていると侵入に時間を要するため、泥棒は嫌がる傾向にあるからです」
さらに、玄関にガードプレートを取りつければドアの間にバール等の工具を入れにくくなるので、より侵入しにくくなります」と森田さん。
「窓の対策に関しては、サッシには補助錠を取りつけ、クレセント錠はロックつきが有効です。防犯フィルムについては、専門の施工業者に依頼して全面に貼付してもらうのが効果的です」
――補助錠や鍵、防犯フィルムなどの製品はいろいろな種類があるので、なにを選べばいいのか悩ましいです。どのように選べばよいでしょうか?
「防犯性能の高い建物部品であるCP部品を選ぶことです。CP部品とは、警察庁など関係省庁と民間団体が結成した『官民合同会議』において工具などを使用した試験を実施し、一定の防犯性能があると認定された建物部品(ドア、ガラス、サッシ、錠、シャッター、ウインドウフィルムなど)のことです」