一級建築士として活躍している田中ナオミさん(61歳)。夫とふたりで暮らす、家事効率を考えた住まいや「毎日忙しいけれど楽しい」と話すライフスタイルが注目を集めています。ここでは、田中さんの畑で育てた野菜や季節の保存食を活用した食生活ついて紹介します。
すべての画像を見る(全4枚)日々のメニューは畑と相談して決める
わが家は近所に100坪ほどの畑を持っていて、夫の母上が維持できなくなってから引き継いで面倒をみています。生産緑地のため耕すことは義務ですが、収穫の喜びがあるから続けられています。今では気持ちよく晴れた日に、なにも考えず夢中で作業するのが「ぜいたくな時間」とさえ感じています。
畑の年間スケジュールを立てて耕し、種をまいて水をやり、雑草を抜きながら収穫を待ちます。寒い季節以外はなにかしら育てているので、スケジュールに合わせてぐるぐると作業を行っていますが、広いのでかなり本気です。
大根、タマネギ、ジャガイモは、畑のものでたりるくらい育てているし、夏にはキュウリやトマト、ナスが大量に採れて消費に追われるほど。近隣の住み手や友人にお裾分けすることもありますが、それでも追いつかないくらい採れるときは採れるのです。
うれしい悲鳴ですが、手をかけた野菜たちをフレッシュなうちに食べきるのが課題。だから献立を考えるときは、まず畑の野菜を見てメニューを決めています。
たとえば大根だけでも、煮る、焼く、炒める、干す、揚げる、そして生と、調理法を変えれば相当なバリエーションが組めます。皮や葉っぱも全部食すので、大根だらけの食卓になることもありますが、いろいろ試して新しい味に出合えたり学ぶことも多いです。トマトやタマネギ、ナス、ジャガイモも同じく、毎年、手を替え品を替えて創作し、レパートリーがかなり増えました。
この献立も、副菜はすべて畑の野菜。これがわが家のベーシックです。一品ずつは、焼いただけ、スライスしただけ、ゆでただけ、和えただけの簡単なものですが、献立にすると充実した食卓になります。
こんなふうに旬の食材を集中的に大量に食べていると、畑の野菜が変わる次の季節には、ほかの野菜が食べたくなります。口も自然に季節に順応しているようです。