日々の忙しさに追われ、「時間がない」「周囲とのつき合い方が難しい」など、考えることが山積みで頭の中が“からまる”ミドルエイジ(30代後半から50代)。「Voicy」のトップパーソナリティであり、二児の母でもある尾石晴さんも、かつては多くの悩みを抱えていました。今回は、尾石さんに日々の生活をよりごきげんに過ごすための、自分の見直し方や時間の使い方についてお話を伺いました。

疲れている女性
“からまる”ミドルエイジはどうすればいい…?(※画像はイメージです)

等身大の自分をつめ込んだエッセイ本での発見

──『からまる毎日のほぐし方』(扶桑社刊)は、尾石さんが悩みながらもたどり着いた“からまり”をほぐすヒントがつまった初のエッセイ本ですよね。これまで執筆してきたジャンルとは異なると思うのですが、執筆中に苦労された点はどんなところですか?

尾石晴さん(以下、尾石):今まではHOW TOを求められるビジネス系や自己啓発書ばかり書いてきたので、エッセイは根本的に書き方が違うな、と感じました。でも最初こそ「役に立つことを言わなければ」なんて考えを取り払うのに苦労しましたが、やっていくうちに自然と自分の現状や問題にフォーカスできるようになりましたね。

ただ、これまで家族のことは「Voicy」でも話してこなかったので、どこまで書くのか悩みましたね。内容によって家族の合意も得ながら書き進めていきました。

──発売から数か月が経ちましたが、読者の方からはどのような反響が届きましたか。

尾石:意外にも、「これまでの書籍のなかでいちばん好き」という声が多くてびっくりしています。ビジネス本となると自分とは縁遠い“著者の世界の話”と捉えられがちですが、今回は等身大のエッセイとして現在進行形の思考や悩みを書いているので、共感してくれた方が多くいらっしゃったようです。

なかには「この本をきっかけに自分がからまっていると気づけた」となんてうれしい声も。今回エッセイ本を出したことで、「せっかく書くならだれかの役に立たなければ」という自分の中の固定観念がなくなったのも新しい発見でした。

『からまる毎日のほぐし方』は、ノウハウやHOW TOが書いているものではなく、なんとなく漠然とした違和感や、つまずきを感じている方に読んでほしい1冊です。ぼんやりとした書き方だからこそ、うまく言語化できない気持ちにリンクする瞬間があると思います。だから、みなさんのなかにある“なんとなく”と結びつくとうれしいですね。